2日目 4月8日(木) 青春18キップ+智頭線1日フリーきっぷ利用
津山(市内散策)-佐用-智頭(散策)-大原(散策)-上郡-相生-草津-能登川(泊)
(2日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。)
この日のメインは智頭急行線に乗車し沿線を散策であるが、智頭急行線との接続駅である佐用(さよ)方面の
列車は 9:56 までないので、約2時間の津山市内散策を行う事とした。津山での観光スポットとして津山城と
津山まなびの鉄道館の2カ所を選択した。
(津山市内の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
津山城は本能寺の変で討死した森蘭丸の弟森忠政が築いが、明治の廃城令で建造物は取り壊された。しかし
天守の南東側の備中櫓(びっちゅうやぐら)が、築城400年の記念事業として復元されている。 当時の面影を
残す地上から45mに及ぶ立派な石垣あるこの一帯は鶴山(かくざん)公園と呼ばれており、「さくら名所百選」にも
選ばれた西日本有数の桜の名所となっている。今年(2021年)は3月27日~4月11日までが桜祭り期間となって
おり、朝7時半から入場できたのはラッキーであった。
しかし今年は桜の開花が早くこの日は既に葉桜になっていたのは残念だった。 復元された備中櫓に入る事が
できるが、朝9時からのオープンだったので残念ながら割愛した。
津山城の写真
津山駅へ向かって歩いていると、映画「男はつらいよ」第48作 寅次郎紅の花で津山祭りを演じたロケ地となった
宮川を流れる大橋があり、ここからの津山城の眺めはなかなか趣があった。
JR津山駅に戻ってきたが、次の目的地である津山まなびの鉄道館は線路の反対側で、かなり大回りをして開館
の少し前に到着した。 津山は現在でも岡山方面の津山線、佐用・姫路方面の姫新線(上り)、新見方面の姫新
線(下り)、鳥取方面の因美線が乗り入れている古くからの鉄道のまちであり、国内に現存する扇形機関車庫の
中で、京都の梅小路機関車庫に続く2番目の規模をほこる「旧津山扇形機関車庫」と蒸気機関車用の転車台が
鉄道遺産としての目玉である。 ただし、機関車庫には蒸気機関車はD51の1台だけで、残りはディーゼル
機関車やディーゼル客車である。これらの鉄道遺産以外に、岡山の鉄道の歴史にスポットを当てながら日本に
おける鉄道のはじまりから今にいたるまでを紹介している「あゆみルーム」、どのようにして安全で正確な運行が
行われているのかを技術面で紹介している「しくみルーム」もあり、鉄道の事を楽しく学べる施設になっている。
津山市内の写真
津山での散策を楽しんだ後、9:56 発の姫新線上り列車に乗車する。この区間は2015年春にも乗車したが田園
風景眺めて約1時間で佐用に 10:53 に到着。 佐用駅で智頭線1日フリーきっぷと佐用-智頭間の自由席特急券
を購入し、11:01 発の特急スーパーはくと3号へと乗り換える。智頭急行線は、JR山陽本線の上郡からJR因美線
の智頭までの 56.1km を走る第三セクター路線であるが、京都・岡山から鳥取・倉吉間を結ぶ経路として最短経路
となっているため、例えば佐用駅では各停列車が1日16本(下り)17本(上り)に対して特急列車も1日13本
走っている。JRの特急列車が乗り入れているので、智頭急行線は財政的にも他の第三セクター線に比べて安定
しているように思われる。 27分間の快適な特急列車の旅を楽しんで、智頭には 11:28 に到着。
(智頭宿の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
智頭駅から徒歩10分で、昔の宿場町である智頭宿があり、ここは江戸時代の参勤交代で江戸へと向かう鳥取藩
の最初の宿泊地となるため、宿場町として栄えていた往時を偲ばせる町屋の建物や道標が今も残っている。江戸
時代に大庄屋を務めた旧家で、約3000坪という広大な敷地面積に40以上の部屋数を持つ邸宅と素晴らしい景勝
の日本庭園を有する国指定重要文化財の「石谷家住宅」が有名で公開している。ほかに智頭産の大木を使用した
重厚な造りの「米原家住宅」(こちらは非公開)もある。このほかにも旧役場跡の下町公民館や石谷家住宅の前に
ある消防屯所も国登録有形文化財に指定されており、趣のある建物となっている。このほか智頭町出身の映画
監督・西河克己の資料が展示されている「西河克己映画記念館」の建物も印象に残ったが当日は閉館していた。
なお、西河監督の作品である「絶唱」(昭和41年日活:智頭町でロケが行われた)「青い山脈」「伊豆の踊り子」
「潮騒」などの資料(ポスター、台本、スチール写真や多くの俳優や映画人からの手紙等)が展示されているよう
なので、見られなかったのは残念であった。
智頭宿の写真
ひととおり智頭宿の町並みを散策した後に、メインである「石谷家住宅」を見学する。前述のようにここには40
以上の部屋があり公開されていないものもあるが、和室応接、江戸座敷、新建座敷など趣のある部屋も多かった。
また居間・食堂は喫茶室になっており利用者でないと見る事ができないので、軽食(野菜カレー)とコーヒーを
頂いて部屋を見学した。日本庭園は江戸座敷・新建座敷に面した池泉庭園が一番古く築庭されたところで、残り
の枯山水庭園と芝生庭園はそれより後の大正時代に築庭されたものである。日本庭園では時々イベントを開催
しているようである。 智頭宿の散策を楽しみ智頭駅にもどる途中から見える山並みに桜の木があったが、こちら
はまだ葉桜になっていなかった。
智頭発 13:30 の各停列車で次の目的地である大原へと向かう。途中、「恋山形」駅は日本で「恋」の名が付く
4つの駅の1つという事で駅構内はピンク色一色にカラー化されており、土休日には列車の停車時間が長くとら
れるようである。その分、智頭駅の発車時刻が早くなるので、この日は平日で智頭宿の方に多く時間が取る事が
できてむしろ好都合だった。 大原には 13:57 に到着。
(大原宿の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
大原駅周辺の大原宿も鳥取と姫路を結ぶ因幡街道の宿場町として古くから栄えたところで、江戸時代築の「本陣」
や「脇本陣」のほか重厚な屋敷群が面影を残し、旧街道の風情をいまもなお色濃く残している。ただし「本陣」は
建物内部は見学できず、御成門のみ予約見学(5人以上の団体で1週間以上前の予約が必要)できる。 なお
「本陣」が大名や幕府の要人が宿泊するところに対し「脇本陣」は重臣の宿泊するところで「本陣」と「脇本陣」
が揃って現存するのは日本でも数少なく重要な文化財となっている。 大原宿は建物の外観を外から楽しむのに
適しており、本田邸(現在は観光案内所)、旧中国銀行(現在は現役の法律事務所)、田中酒造場、難波邸(現在
はゲストハウス等)、消防器具庫・火の見櫓などをのんびり散策する事ができた。
大原宿の写真
大原 15:18 の各停列車で上郡へと向かう。大原のとなりの駅が「宮本武蔵」駅であるが、ここが宮本武蔵の
生誕の地であり、武蔵生家跡、武蔵資料館などもある。 残念ながら今回は割愛した。
上郡に 15:55 到着。ここでJR線に乗り継ぎ上郡 16:04 発の電車で、途中、相生、草津で乗り換え今夜の宿泊地
である滋賀県能登川(のとがわ)には 19:03 の到着であった。
旅行記(3日目)
青春18キップとJR東海乗り鉄キップによる津山、智頭急行沿線、近江鉄道沿線旅の旅行記TOPにもどる