4日目 3月25日(水)
 松江(散策)-宍道-備後横田-備後落合-新見-伯耆大山-鳥取(泊)

 この日は、午前11時頃まで松江市内散策したあと、木次線、芸備線(備後落合-備中神代)、伯備線(新見-伯耆大山)に乗り
 山陰本線で鳥取まで移動する計画を立てたが、木次線の(備後横田-備後落合)は雪の影響のため不通だったので、この区間は
 代行バスとなった。この区間は三段式スイッチバックで有名なところなので乗車できずに残念であったが、代わりに代行バスで
 「奥出雲おろちループ橋」を経験することができた。



 (4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 赤色が実際に移動した軌跡。)


 ホテルで朝食を終え、すぐに路線バスで松江城方面へと向かう。松江城の天守閣は 8:30 以降でないと入場できないので、それまで
 の間、松江城山公園を散策する。この松江城は周囲が掘で囲まれており、船で松江城のまわりを一周することができる。
 8:30 まで約1時間ほど時間があったので、松江城山公園内の三ノ門跡、松江神社、護国神社、城山稲荷神社などをぶらぶらと散策し、
 稲荷橋と新橋を通り小泉八雲記念館の前まで来たが、こちらも 8:30 開館なので、松江城山公園の外周を半周し、松江歴史館の前の
 北惣門橋から再び松江城山公園へと入る。 天守閣前の入場券売場に 8:30 頃着いたので、3館共通入場券を買い、まずは天守閣の
 中へと入る。ここは全国で12カ所ある現存天守(城の天守のうち、江戸時代またはそれ以前に建設され、現代まで保存されているもの)
 の1つであり、天守閣最上階からの松江市街地の眺めは素晴らしかった。

 次に、さきほど散策した道を再度通り、小泉八雲旧居へと向う。小泉八雲は14年間を日本で過ごしたが、八雲の一番の功績は当時の
 日本を偏見なく世界に伝えた事だと思う。日本では松江、熊本、神戸、東京と4つの都市に住んだが、八雲は松江には1年3ヶ月住み
 この旧居には約5ヶ月過ごしたとの事である。当時のままで保存されているのは驚異的である。 この旧居には何も展示物がなかったが、
 となりの小泉八雲記念館には、遺族から寄贈された八雲遺愛の机や椅子、直筆原稿や遺愛品が展示されていると同時に、小泉八雲の
 生涯や家族などを説明しているパネルも展示されていた。それによると、小泉八雲の曾孫の小泉 凡(こいずみ ぼん)が現在この
 記念館の顧問になっていた。小泉八雲の記念館は、他にも熊本や焼津にもあるようなので、機会があれば行って見たい。

   
松江市内の写真

 小泉八雲記念館から、観光客用の「ぐるっと松江レイクライン」というバスに乗る。このバスは車内放送で説明しながら松江の名所等
 を説明してくれる。車内説明によると、松江しんじ温泉は、全国でも珍しい「旅館の団地」のようなもので、従来ばらばらに存在して
 いた旅館がここにまとめて移転したとの事である。温泉郷の玄関の一畑電鉄の「松江しんじ湖温泉駅」経由で、バスはJR松江駅に到着。



 (松江散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 赤色が実際に移動した軌跡。)


 松江から山陰線に乗り、宍道駅で木次線の列車に乗り換える。今回、木次線内の三井野原駅~出雲坂根駅間にある三段スイッチバック
 を体験する事も旅の目的の1つであったが、車内放送で木次線の備後横田-備後落合間は雪の影響のため運休でバス代行になるとの
 ショックな情報が流れていた。 しかし今更計画変更も難しいので、このまま備後横田まで乗車する事とした。木次線で唯一みどりの
 窓口がある木次駅で多くの乗客が下車し、その後松本清張の「砂の器」に出てくる亀嵩(かめだけ)駅に到着した。名物の亀嵩そばを
 食べたかったが、停車時間が短いので諦めた。列車は始発の宍道駅から約1時間半で備後横田に到着し、ここで代行バスに乗り換えた。
 ちなみにこの日は3人がこの代行バスのお世話になった。

 代行バスは、備後横田-備後落合間にある、八川(やかわ)駅、出雲坂根(いずもさかね)駅、三井野原(みいのはら)駅、油木(ゆき)駅
 に立ち寄ったが、列車と同じ時刻に発車するため各駅で多少の停車時間があった。代行バスは、出雲坂根-三井野原間は「奥出雲おろち
 ループ橋」と称する、11の橋と3つのトンネルで二重ループ方式で結ばれている道路である。ループ全体が二重にとぐろを巻く八岐大蛇
 (やまたのおろち)をイメージして、このような名前になったとの事。 代行バスに乗って最初の八川駅と出雲坂根駅付近には全く雪が
 なくなぜ列車が運休したか疑問だったが、三井野原駅あたりは雪が積もっており、運休も納得できた。なお、出雲坂根では有名な
 「延命の水」を飲むことができた。代行バスは列車の定刻の 14:22 に備後落合駅に到着した。

 備後落合駅は小さな無人駅であるが、この時間帯には3つのホームに列車が停車する。宍道発備後落合止まりの列車(今回は運休)と、
 芸備線の三次方面と新見方面の列車である。 私は新見方面の列車へと乗り換える。備後落合-新見間の単調な車窓を1時間20分ほど
 眺め、新見には 15:58 着。 新見駅は岡山-出雲市間を走る特急やくもが1日15往復も停車する駅であるが、駅構内には売店もない
 寂しい駅である。 2012年9月にもこの駅に立ち寄ったが、その時パンを買った老夫婦でやったいた駅前のお店もなくなっており、過疎化
 が進んでいるようである。

 新見から伯備線で米子方面の電車に乗り換える。この区間は単線なので、何回か反対方向の列車待ちを行う。伯耆大山駅に近づくと、
 大山の勇姿を見ることができた。伯耆大山駅で鳥取行きの列車に乗り換える。鳥取着 19:33 で、鳥取駅のお店も閉店となっていた。
 駅から5分程度のビジネスホテルにチェックインした後、夕食をとるためホテル周辺を散策したが、気に入った店がなく、この日は
 久しぶりにコンビニで買ってきたものをホテルで食べた。


   
松江-宍道-備後横田-備後落合-新見-伯耆大山-鳥取間の写真



   旅行記(5日目)

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