第3日目  9月4日(火)
   長門市−仙崎(仙崎・青海島散策)−長門市−下関−新山口−徳山−川西(錦帯橋まで往復)−岩国−広島(泊)


 本日は、午前中に童謡詩人の金子みすヾが生まれ育った仙崎と青海島を見学し、夕方に岩国の錦帯橋に立ち寄る、という計画である。
 まずは、長門市から仙崎までJRで行き、仙崎から路線バスに乗り「静ヶ浦」バス停で下車すると、そこは青海島自然研究路の入り口と
 なっている。この散策路は「メモリアルロード」と呼ばれていて、海に浮かぶ奇岩群を眼下に見る事ができる。帰りの路線バスの便の制約
 があるので、残念ながらこの散策路の全体をゆっくり見る事ができず、散策路は途中で引き返す形となったが、天候にもめぐまれ、
 北長門海岸国定公園のすばらしい海岸美を堪能できた。 バス停の近くに海に突き出した「海上レストラン」の建物があったが、平日の
 午前中のためか、人の気配はなかった。

    青海島の写真

 路線バスで仙崎市街地方面に引き返し、途中「王子山公園」で下車した。 金子みすヾはここからの眺めが好きだったようで、「わたしの
 町はそのなかに、龍宮みたいに浮かんでいる」と詠んでいる。確かにここは仙崎市街地を一望できるすばらしいところであった。
 王子山を後にして、青海大橋を渡って仙崎市街地に入る。 仙崎は戦後中国大陸から多くの人が引き上る拠点の1つになっていた、という
 事を初めて知った。 
 仙崎の街中を歩くと金子みすヾの詩を書いた札があちこちにかけられており、それを見ながら散策するのは気持ちの良いものである。
 仙崎駅前に通じる「みすヾ通り」を、古い建物を見ながらゆっくりのんびりと歩いて行くと、金子みすヾ記念館に着いた。金子みすヾ記念館
 は、書店を営んでいた金子みすヾの実家である「金子文英堂」の跡地に建てられた記念館で、みすヾの遺稿集や当時の雑誌などがたくさん
 展示してあった。 みすヾ通りを散策していた時は観光客らしき人はほとんどいなかったが、金子みすヾ記念館に多くの観光客がいたのは
 とても不思議な気がした。

    王子山と仙崎市街地の写真

 仙崎駅に戻り、こんどはみすヾ公園へと向かう。ここは王子山公園の反対側から仙崎市街地を見る事ができるところであるが、仙崎港など
 の海側の眺めが良いところである。もちろんここにも金子みすヾの詩が刻まれている石碑がたくさんあった。
 JR仙崎駅に戻ったが、列車がないのでバスで長門市に向かう。仙崎駅から、下関行きの山陰観光列車「みすヾ潮彩号」が臨時列車として
 運行されているが、残念ながらこの日は運転はなかった。 

    みすヾ公園付近の写真

 午前中に予定していた仙崎と青海島散策を終え、長門市発 11:46 の列車で下関へ向かう。 車窓からは日本海のきれいな風景を楽しめたが、
 電柱と電線が多く、これは何とかならないものか、と感じた。 途中、難名駅として有名な、特牛(こっとい)駅を過ぎ、しばらく乗車すると
 この列車の終点の小串(こぐし)駅に到着した。反対側ホームには下関行きの列車が待機しており、接続は抜群に良い。山陰線の下関−小串間
 は列車の本数も多く、この沿線は下関への通勤圏内かもしれない。 だんだんと人家が多くなり、それにつれて乗客も多くなり、まもなく
 列車は下関駅に到着した。

    長門市−下関間の写真

 下関からは電化複線化されている山陽本線の電車を乗り継いで、本日の宿泊地の広島へと向かう。今は山陽新幹線がメインとなっているので
 昼間は在来線の山陽本線には各停電車しか走っていない。下関から新山口行きに乗り、新山口からは岩国行きの電車に乗り換え途中の徳山で
 岩徳線に乗るために下車することにした。 山陽新幹線の駅として、新下関、厚狭、新山口、徳山、とこの間に4つの駅があったが、何となく
 少し多すぎるような気がした。新山口駅は昔は小郡という名前の駅であったが、いつの間にか駅名が変わっていた。

 徳山からは岩徳線で岩国行きの列車に乗り換える。岩徳線は、柳井経由の山陽本線より距離は短いが、非電化で単線のため所要時間はかえって
 長くなっている。岩徳線を選択したのは、途中の川西駅から岩国の有名観光スポットの錦帯橋まで徒歩で行くことができるからである。
 川西駅に荷物を預けて身軽に錦帯橋へ行きたかったが、ここは無人駅でコインロッカー等もなく、しかたなく思いリュックをかついで、徒歩で
 約25分の錦帯橋へ向かう事になった。 錦帯橋は24時間橋を渡る事ができるが、料金徴収の係員がいるのは18時頃までで、それ以降は
 各自料金箱に代金を入れる事になるが、ぎりぎり係員がいる時間に錦帯橋に到着する事ができた。 錦帯橋からロープーウェイで岩国城まで
 行くコースがあったが、営業時間は17時までだったので、残念ながら行くことができなかった。

    錦帯橋の写真

 再び川西駅までもどり岩国駅に着き、ここから山陽本線で広島まで行く予定のところ、今度は岩国−広島間で枕木が燃えた、という事故が発生
 したため、この間が不通となり、約1時間くらい岩国駅で足止めを食ってしまった。 今回は1日目の福知山駅に続いて2回目で、ちょっと
 頻度が高すぎるように思った。

 何とか満員電車で広島までたどり着いたが、本日の宿泊所のヴィアイン広島は、昨日の長門ステーションホテルに比べて格段に良かったのが
 せめてもの救いであった。



    旅行記(4日目)

    青春18キップ山陰山陽などの旅行記のTOPにもどる