旅行記(3)
翌朝目がさめると、残念ながら雨が降っていたので、本日はハイキングコースは断念
し、電車&バス&徒歩での観光地めぐりを行うことにした。最初の目的地の室生寺へ
向かう。JR奈良駅からJR桜井線にて桜井駅まで行き、そこで近鉄に乗り換える予定
であったが、事故でJR桜井線が不通だったため、JR奈良駅から近鉄奈良駅まで歩く
ことになった。どうも最初から前途多難であるが、昨日の郡山といいどうしてJRと近鉄
は同名の駅が離れているのだろうか。何とか近鉄の八木駅まで来て、ここから近鉄大
阪線に乗り換えるわけだが、この大阪線は、大阪から名古屋や伊勢方面の幹線となっ
ており、特急電車ばかりが通過して、それ以外の電車は1時間に2〜3本しかない。
寂しい時刻表を見て小田急の時刻表が懐かしくなった。
何とか室生寺に朝9時半ころに着いた。室生寺は「女人高野」と呼ばれているが、和歌
山の高野山が女人を厳しく規制していたのに対し、ここは女人も受け入れる真言宗の
道場という事でこのように呼ばれている。このお寺はシャクナゲが有名であるが、ゴール
デンウイーク頃が満開のようで、まだ早かった。もう1つこのお寺で記憶に新しいのは、
数年前の台風で五重塔が壊れた事だったが、本日はちゃんと修復されていた。雨もあが
ってきたので、更に奥の院へと向かう。奥の院へは階段を400段以上あがる必要がある
が、結構年配の人も頑張ってのぼっていた。奥の院では法事をやっていた。奥の院から、
奥深い山と渓谷に囲まれた室生の里が見え、雨もあがり気持ちが良かった。
室生寺を後にして、近鉄室生口大野駅のところに、大野寺があるので、そこに寄った。
大野寺は、磨崖仏という、宇陀川をはさんだ対岸にある11m以上もある岩に彫られた
弥勒仏が有名であるが、寺の境内もたくさん花が咲いていて気持ちが良かった。
寺の境内の入り口に無人の料金箱とパンフレットが置いてあった。中年のおばさん5人
連れが、この花の名前は○○だよね、とか言っておしゃべりしていたが、私は花の名前
には疎い方で良くわからなかったが、狭い境内に花いっぱい、という感じであった。
この時期の大野寺は穴場かもしれない。
室生口大野駅から電車に2駅乗り、長谷寺駅で下車する。駅は小高い所にあり、まず
坂を降りて国道を渡り、国道を過ぎて参道に入ると両側はお土産店、食べ物やが多い。
長谷寺は所謂長谷観音の本山のようなものだが、牡丹がきれいなお寺で有名だ。
しかしパンフレットによると牡丹だけではなく、四季を通して「花の寺」という宣伝となって
いた。このお寺の最大の特徴は、仁王門から本堂へ向かう登廊で、鳥居に囲まれた
一方通行の廊下であると考える。現在本堂は改修中であり、本尊の十一面観音がある
が、重要文化財止まりである。(個人的には、国宝の聖林寺のものが最高と思う)
このお寺の魅力は仏像よりも、建物が花や新緑に囲まれてきれいに見えるところだと
思う。
大野寺 長谷寺の写真