5日目 10月21日(金) ハロー自由時間クラブ
嬉野温泉BT(路線バス)-嬉野温泉-武雄温泉-佐賀-吉野ヶ里公園(吉野ヶ里遺跡散策)-新鳥栖-熊本(泊)
(5日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。)
この日は、当初計画していた観光列車「ふたつ星4047」の座席指定券が
確保できなかったため、予定を変更して午前中は吉野ヶ里遺跡、午後からは
熊本市内散策というルートに変更した。
嬉野温泉バスターミナル 7:55 発の路線バスで西九州新幹線の嬉野温泉駅まで
行き、ここから嬉野温泉 8:10 発の「かもめ8号」で隣の武雄温泉で下車し
「リレーかもめ8号」に乗り換え、更に佐賀で各停電車に乗り換え吉野ヶ里
公園駅には 9:04 の到着となった。駅から吉野ヶ里歴史公園までは徒歩14分
の距離であるが、案内板が整備されていてとてもわかりやすかった。
ゆっくり歩いて、吉野ヶ里歴史公園の正門には 9:20 頃に到着。
(吉野ヶ里歴史公園の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
吉野ヶ里遺跡は、紀元前5世紀から約700年間続いた弥生時代の遺跡の中
でも、日本最大級のものと言われていて、日本の古代の歴史を解き明かす上で
極めて貴重な資料や情報が集められていて、国の特別史跡にも指定されている。
吉野ヶ里歴史公園は平成13年(2001年)4月にオープンしたが、物見やぐら、
竪穴住居、高床倉庫等が復元され、弥生時代の雰囲気を十二分に体験できる
空間となっている。広い園内は、入口ゾーン、古代の森ゾーン、環壕集落
ゾーン、古代の原ゾーンと4つのゾーンに区分けされているが、今回は最初に
特別展示展「よみがえる邪馬台国」を見た後、主に環壕集落ゾーンを中心に
散策した。最初に行ったのが南のムラで、ここは吉野ヶ里集落の一般の人々が
住んでいた地域と考えられており、高床建物や竪穴住居など、合わせて27棟の
建物が復元されている。更に北の方に歩いて行くと南内郭と呼ばれるところに
出るが、ここは吉野ヶ里の支配者層が生活していた場所と考えられ、物見櫓4棟、
竪穴住居11棟の他、集会の館や煮炊き屋など、合わせて20棟の建物が復元され
ている。近くの展示室には遺跡から発見された貴重な資料が展示されていた。
更に北上すると北内郭と呼ばれる場所となるが、ここには園内で最大規模の
巨大な祭殿など9棟の建物が復元されていた。最初に園内に入場した時は
あまり人がいなかったが、すぐに中高生と思われる団体が多く入場してきて、
園内は歴史学習の会場といった様相になってきた。
吉野ヶ里歴史公園の写真
吉野ヶ里歴史公園を2時間近くゆっくりと散策した後、再び吉野ヶ里公園駅
に引き返し、吉野ヶ里公園 11:34 発の各停電車に乗車する新鳥栖駅で6分
の接続で九州新幹線の「さくら405号」に乗り換え熊本には 12:16 に到着。
(熊本市内の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
今回の熊本観光のメインは熊本城である。平日でもほぼ30分間隔で運転して
いる「しろめぐりんバス」の1日乗車券を購入し、熊本城へと向かう。
バスはワンマンであるが運転手が市内の観光スポットを説明して下さるので
観光バスに乗車した気分である。やがて熊本城の南口に到着。
平成28年(2016年)熊本地震により、熊本城は石垣の崩落や建築物の倒壊など
甚大な被害を受けたが、その後の懸命な修復作業の結果、令和3年(2021年)
3月には天守閣が完全復旧した。残る城内の国指定重要文化財建造物や石垣等
の文化財についても、順次復旧を進めているが、完全復旧にはなお長い時間
を要する見込み、との状況となっている。逆にこの時期だからこそ被害状況
や復旧工事の様子を見学できる、というメリットもあるかもしれない。
天守閣は地下1階から6階まで各階に展示品が備えられているが、城内の
エレベーターは地下1階-1階間しか運行しておらず、これも地震の影響
なのであろうか。熊本城は加藤清正によって築城され、その後細川忠利が
熊本藩主となったが、1階が加藤時代の展示で2階が細川時代の展示と
なっている。ちなみに3階は軍施設として使われた近代、4階は地震からの
修理と復元を含めた現代の展示となっている。6階の展望フロアからは熊本
市街地が一望できる。熊本城は人気の観光スポットなのか、平日でも多くの
観光客が訪れていた。
熊本市内の写真
熊本城の近くに「桜の馬場 城彩苑」があり、熊本城の歴史体験ができる
「熊本城ミュージアムわくわく座」のほかに、城下町独自の食文化や特産品
と出会うことができるグルメスポットがある。熊本城と共通券を購入して
いたので「熊本城ミュージアムわくわく座」へ入場したが約10分間の寸劇
が意外と面白かった。
再びしろめぐりんバスで熊本城の周辺をバスの車窓から見学し、市役所前で
バスを下車。ここから歩いて5分のところに小泉八雲熊本旧居がある。
ここは小泉八雲が松江の冬の寒さに耐えられず熊本に移ったが、その時に
住んだところである。内部には小泉八雲に関する様々なものが展示されて
いたが、特に興味を持ったのは夏目漱石との比較であった。両者とも英語の
教師であったが、学生からの人気は小泉八雲の方が高く夏目漱石はそれに
嫉妬したらしい。2人の英語教育の進め方の違いによるものと思われるが
当時の学生は小泉八雲の方針を支持したという事だろう。
小泉八雲旧居から大きな商店街アーケードと熊本城周辺をのんびり散策し
再び城彩苑にもどりここからしろめぐりんバスで熊本駅へと向かう。
今夜の宿泊ホテルは以前にも利用したことがある「ホテルルートイン熊本
駅前」である。残念ながら、熊本県の全国旅行支援の予算は限度額に達して
いたため、この日は全国旅行支援クーポンはもらえなかった。
旅行記(6日目)
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