1日目  12月26日(日)
 玉川学園前-新宿-赤羽-新小金井-黒磯-新白河-白河の関-白河(散策)-郡山-いわき(泊)




 (1日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
  青色が実際に移動した軌跡。)


 自宅の最寄り駅の小田急玉川学園前を早朝に出発し、新宿からJR埼京線の乗り換え、さらに赤羽から宇都宮
 行きの電車に乗り換える。過去の経験からこの電車を小金井で降り、この駅始発の黒磯行き電車に乗り換える。
 この方が宇都宮駅で寒いホームで待つ必要がなく便利なのである。黒磯から新白河行きの電車に乗り換えた
 ころから、あたりは雪一色となってきた。 新白河には 9:32 に到着。 新白河からバスで白河の関跡へと向かう。
 白河の関へのバス便は1日2~3本しかなく、しかも平日と土日祝日とでバスダイヤが全く異なるので、公共交通
 機関で行くにはハードルが高いところである。この日は日曜日なので新白河駅前 10:00 発のバスに乗車する
 事ができた。



 (白河の関周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 むかし白河の関は奥州路への入口と考えられており、松尾芭蕉の奥の細道でも「最初は旅といっても実感が
 わかない日々が続いたが、白河の関にかかる頃になってようやく旅の途上にあるという実感が湧いてきた。」と
 いう主旨の事が記載されていたので、ぜひ一度訪問して見たいと思っていて、今回ようやく念願がかなった
 わけである。このようにバス便が悪く、当日は寒く雪がちらついていたが、私以外にも5~6人ほど白河の関を
 目指していた人がいたのには驚いた。 バスは白河市の別の観光スポットの南湖公園の近くや老人ホーム
 施設を通り 10:41 に白河の関バス停に到着した。
 白河の関跡は奈良時代から平安時代頃に機能していた国境の関で、蝦夷(えみし)の南下や人、物資の往来を
 取り締まる機能を果たしていたと考えられている。その後律令制の衰退とともにその機能を失ったが、文学の
 世界では憧れの地となり、松尾芭蕉以外にも、平安時代中期の僧侶・歌人である能因(のういん)や平安時代
 末期から鎌倉時代初期にかけての日本の武士であり、僧侶、歌人である西行(さいぎょう)など時代を代表
 する歌人・俳人たちが多くの歌を残しているところである。 従ってここは箱根などの江戸時代の関所よりも
 かなり古い史跡なので、このように荒廃しているのも納得できる。
 白河の関バス停から階段を登りきったところに白河神社があるが、これは元和元年(1615)には伊達政宗が
 社殿を改築奉納したと言われているもので、社殿前には平兼盛や能因法師らが詠んだ古歌碑が建っている。
  これ以外にもこのあたりには多くの石碑があった。
 白河の関バス停から10分ほど歩くと白河関の森公園があり、白河地方の直家造りの茅葺き民家をそのまま
 移築した「ふるさとの家」や、自然環境を活用したさまざまな施設が設置されている。また園内には小川が
 流れ、遊具や水車小屋、芭蕉と曽良の銅像もある。 観光シーズンならばそれなりに客が集まりそうなところ
 であるが、さすがに寒いシーズンオフなので人はほとんどいなかった。

  白河の関周辺の写真

 約50分の散策を終え、帰りは始発の白河関の森公園からバスに乗車し、途中の白河駅で下車する。 
 白河駅には 12:02 に到着。
 JR白河駅の駅舎は大正12年に建てられた大正浪漫の薫りが漂うレトロな駅舎で、建物正面にはステンド
 装飾が施されており、和洋折衷の当時流行のモダン様式の建物になっている。中に「駅かふぇ」があるが、
 この日はお休みであった。
 次の目的地は、JR白河駅のホームからよく見える白河小峰城である。確かに駅からは近いがこの日は
 雪がかなり積もっていたので、辿り着くのに結構大変であった。



 (小峰城周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 小峰城は寛政の改革で知られる松平定信をはじめ、7家21代の大名が居城したが、慶応4年(1868)戊辰戦争
 白河口の戦いで落城。それから約120年の時を経て、平成3年(1991)に三重櫓、平成6年(1994)に前御門が
 江戸時代の絵図に基づき忠実に木造で復元され、今は白河市のシンボルとして親しまれている。
 また平成22年8月5日にその歴史的な重要性が評価され、国指定史跡となった。
 現在白河小峰城は日本100名城のひとつで、東北では珍しい総石垣造りの城で、盛岡城、会津若松城とともに
 東北三名城のひとつにも数えられている。三重櫓は内部が公開されており、何と料金は無料であった。
 三重櫓の内部は、鉛玉や弾傷もそのまま加工され、現在も柱や床板などにその痕跡を見ることがでる。
 次に小峰城の近くにある小峰城歴史館へと向かう。ここは小峰城の歴史や歴代の城主などを知ることが
 できる総合ガイダンス施設となっており、築城からの歴史を示す展示物や江戸時代の小峰城を体感する
 3面VRシアター以外に、2011年3月の東日本大震災による石垣崩落と修復も紹介していた。
 小峰城歴史館の近くにニノ丸茶屋があったので、ここで昼食をとることができた。

  小峰城周辺の写真

 白河の関跡と小峰城の2つの白河市の観光スポットを楽しんだ後、白河 14:00 発の電車で郡山へ行き、
 郡山からはJR磐越東線で今夜の宿泊地のいわきへと向かう。いわきには 16:46 の到着で、今夜の宿泊
 ホテルの「ホテルルートイン いわき駅前」には比較的早く到着する事ができた。


   旅行記(2日目)


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