2日目 12月25日(水)
町田(自宅 12月24日夜発 小田急線)-小田原-岐阜-高山-(路線バス)-神岡(神岡散策)-猪谷-富山-高岡-新高岡-(キップ類の購入)-高岡-金沢 金沢(泊)
臨時快速のムーンライト「ながら」を乗り、早朝岐阜から高山本線に入り、鉄道と路線バスを乗り継いで岐阜県飛騨市の神岡町まで行き、神岡を散策後、再び路線バスと鉄道を
乗り継ぎ富山まで向かい、最終的には金沢に宿泊する、というルートである。 なお、途中で企画キップを購入するため北陸新幹線の駅にもなっている城端線の新高岡駅に立ち寄った。
(2日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 青色が実際に移動した軌跡。)
今回、たまたま全車座席指定の臨時快速「ムーンライトながら」の指定席が確保できたので、今回も小田原(0:31 発)から乗車するわけだが、小田原駅構内が何となくいつもと違う違和感
があったので何故かと考えて見ると、従来まであった小田原と書かれた大きな提灯が無い事に気がついた。さっそく駅員に確認したところ、今年の台風で壊れてしまったとの事であった。
一応、JR小田原駅構内は入口が開いている室内のようなところであるが、改めて今年の台風の凄さを思い知った。 臨時快速「ムーンライトながら」は今年の春にダイヤが変更され、岐阜では
高山本線の下り始発列車に接続するようになっており5分の接続で岐阜 5:37 発の高山本線の始発列車に乗車し、高山には 8:44 の到着。 神岡行きの路線バスは 9:40 発なのでバスセンターの
待合室で待っていたが、多くの外国人観光客が高山から白川郷へ行くバスを待っていた。 「合掌造り集落」の白川郷は外国人には魅力的な観光スポットであるが、冬季の観光ならばもう少し遅い
時期の雪に囲まれた合掌造りの風景を見て欲しい、と感じた。 神岡行きの 9:40 発のバスに乗ったが途中飛騨古川駅を経由したので、高山-飛騨古川間は鉄道利用(青春18キップ使用)すれば
良かった、と少し後悔した。
自宅から神岡までの写真
神岡は鉱山の街として栄えた歴史を持ち、昔は旧国鉄神岡線、その後第三セクターの神岡鉄道が通じていたが 2006 年に廃止となった。 今回は、当時の繁栄を今に偲ばせる街を歩く事と、
廃止になった神岡鉄道遺跡を見る目的で、神岡を訪問する事にした。なお、神岡鉱山は鉱石を採集するという事業はもうやっていないが、現在は鉱物のリサイクルなどの事業をやっている。
しかし神岡鉱山跡地は、豊富な地下水、強固な岩盤、そして1000メートルの土かぶりがあることから素粒子物理学や宇宙物理学の研究や実験に適した場所である事から、1982年頃から研究施設
が建設され、電気を帯びないニュートリノと呼ばれる中性子を観測する「スーパーカミオカンデ」がその後設置され、梶田隆章(かじた たかあき)さんがニュートリノに関する研究で 2015 年に
ノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいところである。 なお、スーパーカミオカンデがある東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設は神岡の古い町並みが見られる場所から離れた
ところにあり、神岡町の観光パンフレットには、スーパーカミオカンデや神岡鉱山跡の記載が無いので観光資源としては考えていないようであるが、神岡鉱山跡は、これまでの鉱物資源を生み出す
鉱山から宇宙線研究の最先端の鉱山へと生まれ変わっている、という事をもっとアピールして神岡町の知名度を上げた方が良いのでは、と思った。
高山からの路線バスは、神岡の街中を通って、町の外れにある濃飛バスのバスセンターに 11:00 に到着。このバスセンターにはタクシーの営業所もあり路線バスでカバーできていない所へも
すぐに行く事ができるようになっている。 バスセンターからは今はリサイクル関連事業をやっている神岡鉱業(株)の建物が見え、煙突から白煙が上がっていた。
バスセンターで入手した観光マップを見ながら街中をとおり、最初に旧神岡鉄道の旧ひだ神岡駅へと向かう。 街中はあまり人の姿を見かけることもなくここも過疎化が進んでいるようである。
旧ひだ神岡駅のホームは階段を上った高い位置にあったが、階段の途中に「立入禁止」の看板が掛けられておりホーム内には入る事ができなかった。
次に藤波八丁遊歩道を目指して歩いて行くと、途中に洞雲寺という曹洞宗のお寺があった。最近このお寺は「達磨のお寺」として有名のようで、掲題には3000点以上の達磨が収納されている、との
事であるが、今回は拝観はパスして遊歩道へと急いだ。 藤波八丁遊歩道は全長約500mにわたる遊歩道で、夏は下を流れる高原川のせせらぎを楽しみ、秋は渓谷沿いの紅葉を堪能できる名所で
あるが、今は紅葉も終わり遊歩道は枯れ葉のじゅうたんになっていた。
(神岡町内の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
遊歩道を抜けると赤色の神岡大橋があり、川沿いに旧神岡鉄道の旧神岡大橋駅があるが、この駅のホームには入る事ができる。隣の旧奥飛騨温泉口駅からこの旧神岡大橋駅を通って旧神岡鉱山駅
までの約6kmはシーズン中は「レールマウンティングバイク」がレールの上を走る乗り物が観光客に人気であるが、営業は11月下旬までとなっていて残念ながら体験できなかった。
神岡大橋から、昼食をとるため「道の駅スカイドーム神岡」を目指して歩く。 今まで歩いてきた神岡の街中では食事処やお店はほとんどないので、道の駅で昼食をとることにした。
この道の駅には「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」という施設が併設してあった。案内所によると、この施設は梶田隆章がノーベル物理学賞を受賞したのを契機に作られたもので、東京大学宇宙線研等の
監修のもと、いつでもその研究内容に触れたり体験できる施設となっており、例えば素粒子の不思議な性質を迫力のある映像やゲームで体感できるようである。残念ながら水曜日は定休日だったので
この施設に入る事はできなかった。さきほど、神岡町は宇宙線研究の最先端の鉱山の街へと生まれ変わっているという事をもっとアピールすべき、と述べたが、実際に進んでいるので少し安心した。
神岡散策の写真
道の駅から少し歩いて、神岡城、鉱山資料館、旧松葉家住宅などが集まってあり、神岡の街中を一望できるスポットに来たが、これらの施設は冬季は営業休止となっているので、町並みの展望だけを
楽しんだ。機会があったら、レールマウンティングバイクやこれらの施設が営業している時期にもう一度神岡に来ても良いかな、と思った。
坂を下って次は船津座を目指す。船津座は大正時代に演劇場として賑わった船津劇場を飛騨の匠の伝統技術を駆使して再現した建物で、「多目的ホール」、「ギャラリー」、「防音室」、「茶室」、
「宴会場」などが整備された地元のコミュニティセンターとなっている。中に入ると喫茶コーナーもあったので、コーヒーを注文して寛いだ。
神岡は共同水屋があちこちにあるので、バスセンター近くの「柳川水屋」に立ち寄った。さらに富山方面行きのバスの出発時刻まで少し時間があったので、リサイクル事業をやっている神岡鉱業(株)
の正門近くまで行くと、社員用の駐車場には多くの自動車が駐車しており、この付近は都会並みの活気があった。
猪谷から新高岡までの写真
神岡バスセンター 14:31 発の富山駅行きのバスに乗り、途中の猪谷で下車。 猪谷へは今春にも来たのでこの辺の地理は良くわかっているが、猪谷から富山行きの列車の出発まで少し時間があったので、
今春に続いて猪谷関跡の石碑をもう一度見た。 猪谷 15:30 発の各停列車で富山に 16:24 に到着。
今夜の宿泊地の金沢へ向かう在来線は現在は第三セクター路線で青春18キップでは使用できないが特例があり、高岡でJR氷見線またはJR城端線を利用する場合に限り富山-高岡間は青春18キップで
乗車できる。 そこで、この特例を利用し、高岡からJR城端線で1つ目の駅である新高岡駅へと向かう。しかし、北陸新幹線の新高岡駅と城端線の高岡駅は信号付きの横断歩道を渡る必要があり、
不便な構造となっている。きっと北陸新幹線利用者は不便な城端線を使わずタクシー等で高岡市街地に行くのであろうか。
新高岡駅に立ち寄ったのは、JR西日本発売の「北陸トライアングルルートきっぷ」を購入するためで、このキップはJR線以外に、富山-金沢間の第三セクター社(「あいの風とやま鉄道」と
「IRいしかわ鉄道」)のほか和倉温泉-穴水間の「のと鉄道」にも乗車可能で、更に青春18キップと異なり特急券を購入すれば特急列車にも乗車可能で、2日間有効で2850円というお得な
企画キップである。 早速購入して、この日は高岡-金沢間を利用した。 金沢には 18:38 に到着し、今夜の宿である「ホテルルートイン金沢駅前」へと向かった。
旅行記(3日目)
青春18キップによる会津・野岩・東武鉄道と神岡、金沢、松阪、伊賀上野、天竜浜名湖鉄道旅行記TOPにもどる