3日目 6月28日(水)
引き続き、道東方面を散策し、釧路にレンタカーを返却後、札幌に移動。 札幌(泊)
(3日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。 ただし、釧路→札幌間は省略)
この日は、道東地方をドライブして釧路まで戻り、釧路 16:12 発の特急列車で札幌へ
向かう大まかな予定は決めていたが、詳細は天候に応じて現地で決める事にしていた。
あいにくこの日は雨は降らないものの曇りがちで、展望台からの眺望は期待できない
ので、屈斜路湖の眺望は諦めて、代わりに小清水原生花園周辺と、釧路湿原の塘路湖
付近をメインにする事とした。
(小清水原生花園周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
朝のうちは、JR釧網本線の駅巡りで、止別(やむべつ)、浜小清水、原生花園、北浜、
藻琴(もこと)の5つの駅に立ち寄った。知床斜里駅のとなりの駅が止別で、ここは
「えきばしゃ」というラーメン屋を併設している。その隣の浜小清水は道の駅と一体に
なっている。道の駅はまだ営業時間外だったので、隣の原生花園駅へと向かう。
原生花園駅は5月~10月間営業している臨時駅で、小清水原生花園の中心地に位置して
いる。原生花園とは、人為的な手を加えず自然をそのままにした状態でも色鮮やかな
花が咲く湿地帯や草原地帯のことでいわば自然の花畑とも呼べるところである。
北海道ではオホーツク海沿岸をはじめ多くの原生花園が存在しているが、ここ小清水
原生花園が全国的に有名になった。原生花園駅前には観光案内所、インフォメーション
センターや売店などが既に営業していて、多くの観光客が訪れていた。パンフレット
を手にしたがよくよく見ると中国語版であり、日本語版は品切れ状態であった。
しかし、肝心の花はあまり咲いておらず、それでも小清水原生花園の展望所から知床
半島やオホーツク海の眺望を楽しめた。
小清水原生花園から道路を挟んで反対側には濤沸湖(とうふつこ)があり、ここは
野鳥や植物の観察に多くの方が来るところで、約200m程の木製の遊歩道も整備されて
おり、多くの人が撮影を楽しんでいた。また濤沸湖はオオハクチョウなどの渡り鳥の
重要な中継地ともなっている。
原生花園の隣の北浜駅は「オホーツク海に一番近い駅・海岸まで20メートル」という
うたい文句で駅構内には展望台もある。駅舎内には、かつての駅事務室を改装した
喫茶店「停車場」が営業している。
次に北浜の隣の藻琴駅に立ち寄ったが、ここも喫茶店の「軽食&喫茶 トロッコ」が
営業している。止別、北浜、藻琴に併設されている喫茶店や食堂は、よくテレビの
旅番組でも出てくるが、実際に釧網本線の列車の本数が少ないので、本当に経営が
大丈夫なのか? 気になるところではある。
知床斜里-屈斜路湖間の写真
次は、屈斜路湖を展望できる美幌峠に行くことにした。屈斜路湖を展望するには
藻琴山や津別峠の方が高い位置にあるので展望がより綺麗であるが、今回は雲が
山を覆っているような天候なので標高の低い美幌峠に期待をかけた。藻琴駅から
のルートは完全にカーナビまかせで、途中までは霧も無く期待が持てそうだったが
美幌峠近くではすっかり霧に覆われてしまい、残念ながら美幌峠から屈斜路湖の
展望はできなかった。 想定内だったので美幌峠を下り屈斜路湖の南側の和琴半島
をとおり、砂湯の駐車場に 11時頃に到着。砂湯は砂を掘ったらお湯が出て、たち
まち露天風呂の出来上り、というキャッチフレーズになっているが、私の見た限り
レストラン付きの売店があるだけで、砂を掘っている人は見かけなかった。
砂湯を出発し、川湯温泉から釧路方面に向かうところであるが、少し寄り道をして
JR緑駅に行くことにした。この駅は大学時代に裏摩周展望台に初めて行った時に
帰りのタクシーで下車したところであるが、当時も片道1日5本しか列車の本数
が無いのに駅には複数の駅員がいて駅周辺には大きな木材が積み重なっていた
印象があり、もう1度見てみたかったためである。実は会社を定年退職後何回か
道東方面に来た時、緑駅に行くチャンスがあったのだが、何故か実現しなかった。
緑駅には 11:45 頃に到着。 一見して、昔のイメージと全く違った、周辺には
木材もない小さな無人駅となっていた。
今来た道を引き返し、今度は本当に釧路方面へと向かうが、途中弟子屈市街地を
通り、JR摩周駅に立ち寄る。さすがに摩周湖への最寄り駅だけあって、有人駅で
きれいな駅舎であった。弟子屈市街地で昼食をとらずに出発したところ、国道391
号線上には昼食処もコンビニも見つからず、結局磯分内(いそぶんない)駅周辺
のコンビニでおにぎりやパンなどを購入した。
(塘路湖周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
今日最後の観光スポットは塘路湖(とうろこ)とその周辺である。最初にJR塘路駅
に行ったが、この駅はかなり前から駅舎はログハウスを模した外観となっており、
内には喫茶店「ノロッコ & 8001」が入居している。駅から塘路湖までは意外と
離れている。塘路湖は釧路湿原最大の湖で、自然の姿そのままといった感じで
バードウォッチングや自然散策が楽しめるところである。塘路湖の手前にある
シラルトロ湖も結構大きく見えたが、塘路湖は横方向に細長いので、こちらの方が
かなり大きいようである。
湖の南側に、塘路湖エコミュージアムセンター「あるこっと」という施設があるが
水曜日は定休日のようで入場出来なかった。確か前回来た時もお休みだったように
記憶しており、何か縁がないようである。ここは、湿原の生命の源である「水」を
テーマに、様々な姿に形を変えて湿原を流れる水のようすと、釧路湿原の多様性に
富んだ自然や動植物の姿などを紹介しているので、ぜひ一度は入ってみたい施設で
ある。塘路湖エコミュージアムセンターの近くに標茶町博物館「ニタイ・ト」が
あるが、アイヌ語で森と湖を意味するそうである。明るく開放的な空間が特徴で、
標茶町の歴史と自然の資料を展示している。隣には古い建物の旧塘路駅逓所がある。
駅逓所(ていしょ)とは、明治初期より北海道の開拓推進のために作られた北海道
独特の施設で、旅人が泊まる宿であると同時に、次の駅逓所まで荷物を運ぶ人や馬
を貸し出す事を業務としていたところである。中にも入る事ができてとても印象
深かった。
屈斜路湖-塘路湖-釧路間の写真
塘路湖を 14:20 頃に出発し、途中大きな渋滞も無く約1時間ほどで釧路駅のトヨタ
営業所にレンタカーを返却する事ができた。釧路駅の売店で地域クーポン券を利用
して家族向けのお土産を購入した後、釧路 16:12 発の特急おおぞら10号に乗り
札幌へと向かう。 札幌 20:28 の到着。明日は朝早い出発になるので、本日は
以前に泊まった事があるJRイン札幌駅南口に朝食無しで宿泊した。
旅行記(4日目)
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