3日目 11月28日(月)
 古川-盛岡-宮古-釜石(散策)-新花巻-古川 (泊)



 (3日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
  青色が実際に移動した軌跡。)


 この日は、盛岡からJR山田線の観光列車に乗車する事と、釜石市内の
 観光がメインである。
 古川 7:21 発の「やまびこ97号」で盛岡まで向かい、盛岡には
 8:20 に到着。ここからJR山田線の 8:51 発の全車座席指定の臨時の
 観光列車「さんりくトレイン宮古」に乗り換える。 この臨時列車は
 土日祝日限定というわけでもなく、大人の休日倶楽部パスが使える
 期間は平日にも運行する日があるようで、この日も月曜日ではあるが
 運行日となっていた。 この日の乗車率は30%くらいだろうか。
 ほとんどの人が終点の宮古まで乗車するようである。盛岡-宮古間の
 定期列車は快速2本と各停2本の4本しかないためか、この日は途中駅
 から乗車して短区間だけ座席指定券を購入して乗車する乗客も数人
 存在していた。この区間は沿線に観光スポットもなく典型的なローカル
 線で所要時間も2時間半ほどかかるが、観光列車で座席も座り心地が
 良かったので、長時間乗車はそれほど苦にならなかった。
 宮古には 11:21 に到着。

  古川-盛岡-宮古-釜石間の写真

 宮古で時間があったので昼食をとり、12:31 発の三陸鉄道の列車で
 釜石へと向かう。この列車は観光列車にも使える「宝くじ号」だった
 ので何となく得をした感じである。宮古-釜石間の三陸鉄道に乗車
 するのは、2019年6月以来であるが、今回は逆方向で宮古から釜石へ
 の上り列車となる。ここは昔はJR線だったので、先ほど乗車した
 JR山田線の名前の由来である陸中山田駅、「ひょっこりひょうたん島」
 のモデルのひとつといわれる蓬莱島への最寄り駅である大槌駅、
 および宮古-釜石間の車窓の写真を撮りながら釜石には 13:52 に
 到着した。

 今回の釜石観光は、釜石市立鉄の歴史館と釜石大観音に行く計画で
 この2つは近くにあるので、釜石駅 14:00 発の路線バスに乗車に
 釜石大観音入口バス停で下車する。最初の釜石市立鉄の歴史館へは
 道に迷いながらも何とか辿り着くことができた。
 釜石市立鉄の歴史館は日本でも数少ない鉄に関する博物館で、
 鉄づくりの始まり、日本に伝わってきた鉄の文化、洋式高炉が完成に
 至るまでの道のりから製鉄に関わった人々、私たちの生活に欠かす
 ことのできない鉄の今日までを1階から3階までの展示スペースで
 紹介されている。印象に残ったのは、自動車にいかに多くの鉄が
 使われているのかが説明されている展示物である。館内からは
 これから行く釜石大観音の勇姿も見る事ができた。
 歴史館内の外にはかわいらしいSLが展示されていたが、これは
 釜石製鉄所-釜石鉱山間を走っていた専用鉄道(会社線)用の
 もので、1965(昭和40)年まで使われていたものである。





  (釜石市の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)

 次に、釜石大観音へと向かう。途中で少し道に迷ったが、鉄の
 歴史館から歩いて20分ほどで受付所に着いた。ここで料金500円を
 支払ったが大人の休日倶楽部パスを見せると長寿橋をもらえた。
 釜石大観音は、高さ48.5mある白亜の魚藍観音像で、魚を入れた
 かごを手にさげているのが特徴となっている。 内部に入る事が
 でき、らせん状の階段を登って行くと、2階から11階の各階に、
 木彫りの七福神が祀られている。11・12階の観音様が抱える魚の
 上が展望台になっており、ここから海抜120mからの絶景が楽しめ、
 目の前には釜石湾が広がり、遠くは陸中海岸国立公園の雄大な
 リアス式海岸を鳥瞰することができるようになっている。
 2016年6月、釜石大観音が、プロポーズにふさわしいロマンチック
 なスポットとして「恋人の聖地」に選定され、同年9月には、釜石
 出身の女性がデザインしたモニュメントと「願いの口鐘」が完成し、
 高さ2m70cmの大きなハート型のモニュメントがあったが、当日は
 寒い平日の夕方という事もあって、カップルは見かけなかった。

 観音様の近くに高さ24mの仏舎利(ぶっしゃり:釈迦の遺骨)を
 納めるとされる仏舎利塔があるが、これは昭和50(1975)年、
 スリランカ共和国のケラニア大寺院から寄贈されたものである。
 仏舎利塔内には、パゴタを囲むように関口正男画伯による釈迦
 四大事壁画が掲げられ、地下には日本仏教各宗派の祖師をお祀り
 していた。

   釜石市内の写真

 釜石大観音入口のバス停にもどり、釜石駅方面に引き返す。
 バス停には多くの高校生がバスを待っていた。この路線バスは
 この時間帯、平日は1時間に2本で休日は1時間に1本だった
 のは、通学生の利用者が多いためと納得した。
 JR線列車の発車時刻まで時間があったので、釜石市の繁華街と
 思われる、釜石駅の手前のバス停で途中下車し駅まで歩いたが、
 17時過ぎの街は人通りも少なく活気もあるとは言えなかった。
 釜石 17:44 のJR釜石線の列車に乗車し、2時間程で新花巻駅に
 到着し、ここから東北新幹線「やまびこ72号」で古川のホテル
 に戻る。古川 20:40 に到着。この時間帯の古川駅周辺もあまり
 夕食をとれるところが無かったが、ホテル内のレストランがまだ
 営業していたので、ここで夕食をとることができた。


   旅行記(4日目)


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