3日目(6月28日)
 帯広でレンタカーで然別湖、糠平湖などを散策  帯広(泊)





 (3日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 青色が実際に移動した軌跡。)


 この日は帯広駅前のトヨタレンタカーを12時間(8:00~20:00)借りて、然別湖と糠平湖を見て、更にNPOひがし大雪自然
 ガイドセンターが主催の「旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー 14:00~16:30」を事前に予約していたので、これに参加した。
 駅レンタカーは 9:00~ の営業であるがトヨタレンタカーは 8:00~ の営業なので、日帰りでレンタカーを利用する場合この
 1時間の差は貴重である。

 レンタカーの受け渡しを 8:15 頃に完了し、まずは然別湖への向かう。しばらくは国道38号線を走り芽室町で右折し、
 道道54号線に入り鹿追町方面へ向かう。出発して1時間20分ほどで扇が原展望台に到着した。ここは然別湖周辺の山々で
 発生した火砕流や土石流などでつくられた 扇状の台地「扇が原」を見下ろすことのできる展望台であるが、残念ながらこの日は
 雲が多く少し残念な展望であった。
 扇が原展望台から15分ほどで然別湖湖畔に到着。然別湖は北海道にある湖では一番高い場所にある湖で夏はカヌーやカヤック
 などのアウトドアがとても盛んで、全面結氷する冬は雪と氷で作られる幻の村「しかりべつ湖コタン」が出現し、年間を通して
 楽しめる観光スポットである。湖畔にある然別湖ネイチャーセンターで入手した資料を見ると、然別湖が一望できる白雲山や、
 北海道三大秘湖の東雲湖(しののめこ)など魅力的なハイキングコースが紹介されていたが、今回は糠平湖でのツアーがメイン
 なので、然別湖は湖畔周辺の散策路を歩くに留めた。なお白雲山は学生時代に然別湖に来た時登った事があり今でも強い印象が
 残っている。

   帯広-然別湖-糠平湖の写真

 然別湖から糠平湖まではパールラインと呼ばれる道道85号線が近道であるが、昨年(2016年)夏の台風の影響で通行止めの
 ままになっているので、国道274号線&241号線&273号線経由の迂回路を通行し、糠平湖の最初の目的地である
 「上士幌鉄道資料館」に正午頃に到着した。この資料館は1987年に廃線になった旧国鉄士幌線の各種資料(路線図、歴史、工事写真、
 保線工具、ジオラマなど)を展示しているほかに旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群についての案内などもやっており
 見ているだけで楽しいところである。 資料館の近くの「ひがし大雪自然館」は東大雪地域の自然と文化についていろいろと
 展示しているところであるが、この日は水曜日の定休日だった。ツアーの集合場所である「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」
 の場所を確認したあとツアーの集合時間までまだ時間があったので、旧士幌線の終着駅であった十勝三股方面までドライブしたが
 旧十勝三股駅付近を探す時間もなかったので、すぐに引き返した。



  (糠平湖周辺散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 ツアーの参加者は代金が1人3150円という価格にもかかわらず14名と盛況であった。一行は黄色い長靴を履き2台の
 マイクロバスに分乗し、ツアー最大の目玉であるタウシュベツ川橋梁へと向かう。



             (旧国鉄士幌線の旧線と新線)


 旧国鉄士幌線は旧線と新線があり、タウシュベツ川橋梁は旧線の鉄道遺産である。糠平ダムを建設すると旧線の一部は水没して
 しまうため糠平湖の西側に新線が建設され、新線でも三の沢橋梁、五の沢橋梁、第5音更川橋梁などの魅力的な橋梁がある。
 タウシュベツ川橋梁へ行くには国道237号線から途中で林道に入る必要があるが、この林道は林道管理者に通行の申請を
 行い許可されれば通行止めゲートの鍵を借用するという方式であるので、一般人でも申請して通行する事は可能のようである。
 しかし鍵は合計20個しかなく林道自体も未舗装なので砂利石で自動車の傷を付ける可能性も高いためか地元の人でもツアー
 に参加するらしい。
 マイクロバスの運転手は未舗装で狭い道を運転しながら説明もするので結構大変な感じがした。昨年(2016年)の台風で
 この林道も土砂崩れの被害にあったが、この林道は木材の切り出しという本業があるため前述のパールラインよりも復旧の
 優先順位が高いため復旧したとの事であった。
 林道を4kmほど走り5~6台の駐車スペースがあるところでマイクロバスを降り、糠平湖に向かって歩く小道が士幌線旧線
 となっている。500mほど歩くとタウシュベツ川橋梁の上部が見えてきた。
 ここからは約1時間弱の自由時間で、各自が思い思いにタウシュベツ川橋梁の見学タイムである。
 タウシュベツ川橋梁は約80年前にできたコンクリート橋梁なので劣化が激しく、昔は橋梁の上を歩く事ができたらしいが
 今は倒壊の危険があるので危険ゾーンは立ち入り禁止となっている。またこの橋梁は糠平湖の水位によって見える部分が
 変化し、めがね状になったり水没して全く見えなかったりするとの事である。従ってこのツアーは橋梁が水没した時点で
 中止となるようである。またこのツアーは糠平湖が凍結する冬季にも開催しており、冬は国道237号線側からスノーシュー
 (西洋かんじき)を履いて4kmの氷上ハイキングとなるそうで、運転手兼ガイドさんは冬の方がおすすめとの事でした。

   タウシュベツ川橋梁と糠平湖の写真

 タウシュベツ川橋梁をいろいろな角度から見学し大いに楽しんだ後、次に幌加駅跡へと向かう。この幌加駅跡は今年
 (2017年)に国登録有形文化財に登録され、駅名表示板、線路の一部、実際に手動で動作するポイント切替機などが
 保存されている。 このあたりはかつて林業で栄えたところで、特に1954年の洞爺丸台風で大量に発生した風倒木を処理
 するために多くの造材人夫がここに入り1962年頃の幌加駅周辺には住宅・商店・飲食店・事業所など約80軒の建物があり、
 350人くらいの人々が暮らす賑やかな街だったとの事である。 幌加駅跡から、かつての駅前大通広場の方向を見ると
 今はその面影も無く雑草に覆われた状態となっており、一気に過疎化が進んでしまった事に対するあわれさやはかなさを
 感じてしまった。

 ツアーは、第5音更川橋梁、五の沢橋梁、三の沢橋梁を車中で見た後、出発地の「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」
 に戻ったが、まだ日没まで十分時間があったので、レンタカーで三の沢橋梁へ向かった。
 ここは大型バスの駐車可能な広い駐車場もあり本日は休業日であったがトロッコ列車も運行している観光スポットである。
 また駐車場から湖岸に降りることができるので、下からじっくりと1955年完成で長さ40mのこのアーチ橋を見る事ができた。
 再びガイドセンターのあるぬかびら温泉郷に戻り、糠平湖見学の最後に糠平湖展望台へと向かう。ここは帯広方面に向かう
 国道273号線から脇道に入ったところにある。ここからは遙か向こうまで続く糠平湖を見渡せるので眺めは素晴らしい。
 この道は糠平ダムの上部に続いているが、一般人は通行止めで先へは進めなかった。

   糠平湖周辺の写真

 糠平湖を後に、帯広方面へ引き返して1時間半ほどで帯広駅前のトヨタレンタカーの営業所に着いたが19時前だったので
 まだ明るかった。 今夜の宿泊先は昨夜と異なり朝食無しのコースがあるホテルグランテラス帯広である。
 ホテルにチェックインした後、夕食をとるため帯広駅周辺をブラブラしたところお菓子で有名な「六花亭帯広本店」が
 あったが 19:00 までの営業だったので既に閉店していた。

   旅行記(4日目)


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