3日目(6月29日)
 盛岡 - 遠野(遠野を散策)- 釜石 - 盛 - 気仙沼 - 一ノ関 - 仙台    仙台(泊)





 (3日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
    青色が実際に移動した軌跡。)


 前回(2014年秋)に盛岡に来た時、名所の1つである岩手銀行旧中ノ橋支店の赤レンガの建物が修復工事中で見る事ができなかったので、
 今回せっかくの機会なので、朝食前の散歩として見る事にした。駅前のホテルから徒歩15分ほどの道のりであるが、朝早いためか人通り
 も少なく快適な散歩道であった。東京駅丸の内口の赤煉瓦駅舎を設計した建築家である辰野金吾((たつのきんご)もこの建物の設計に
 参画していたので、東京駅丸の内口の駅舎と雰囲気が似ているように思われる。前回も見た、「ござ丸・森九商店」という1816年に創業の
 生活雑貨店や、紺屋町番屋という消防隊の番屋として使われていた趣のある建物を経由して駅前のホテルへと戻る。

   朝食前の盛岡市内散策の写真




    (朝食前の盛岡市内散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)


 ホテルでチェックアウトし、盛岡発 8:36 の快速「はまゆり1号」に乗車する。この列車は3両編成でうち1両は座席指定車となって
 いるが、事前に指定券を手配していた。「大人の休日倶楽部パス(東日本)」では6回まで無料で座席指定が可能であるが、今回の旅行
 では座席指定が必須(「はやぶさ号」のように車両が全車座席指定車など)なものは2つだけだったので、今回の釜石線の「はまゆり号」
 も座席指定券を事前に確保していた。 盛岡から花巻までは座席が進行方向と逆だったので少し違和感を感じたが、花巻からは正常に
 戻ったので違和感は無くなった。 花巻から釜石線に入り、東北新幹線と接続する新花巻では多数の乗客が乗り込んで来た。
 新花巻から5つ目の宮守駅から300mほどのところに通称「めがね橋」と呼ばれている「宮守川橋梁」があるが、この橋梁は、宮沢賢治の
 童話「銀河鉄道の夜」のモチーフになったとされている。 列車は新花巻駅から約40分で遠野に到着。



       (遠野市内散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)


 遠野市は柳田國男の遠野物語のもととなった町であり、河童や座敷童子などが登場する「遠野民話」が有名である。次の列車まで約3時間
 あったので、レンタサイクルでまわる事とした。 最初に行ったのは伝承園で、国の重要文化財に指定されている曲り屋があり、休日を中心に
 遠野地方の昔話、民芸品の製作・実演などが体験できる施設であるが、この日は平日のオフシーズンだったので、ビデオやテープによる案内
 だけであった。 次に「たかむろ水光園」へと向かう。しかし自転車で行くには上り坂がきつく、かつ建物が見えてから更に上に行かないと
 入口にたどり着かず、到着した時はすっかり汗だくになってしまった。「たかむろ水光園」は水と光を活用した省エネルギー化を実現した
 入浴施設、南部曲り家の宿泊施設、釣り堀ができる池を備えた日本庭園などがある。 しかしこの日は、ほとんどは日帰り入浴施設を利用
 する地元客がメインで、日本庭園は見学する人は私1人だけだった。「たかむろ水光園」から急な下り坂を通り、カッパ淵を目指す。
 途中から細いわだちのような道になり、常堅寺に着く。カッパ淵は常堅寺裏を流れる小川の淵にはカッパが多く住んでいて、人々を驚かし、
 いたずらをした、との言い伝えからこのように名付けられたとの事である。 澄んだ水がさらさらと流れるカッパ淵は、うっそうとした茂みに
 覆われ、今にもカッパが現れそうである。淵の岸辺には、カッパ神を祀った小さな祠もあった。
 遠野市の観光スポットは離れていて坂が多い道が多いので、自転車で約3時間コースでは以上の3つが限度のようである。以前に家族旅行で
 行った事がある「遠野ふるさと村」は遠野駅から12kmで自動車でも20分程度かかるので今回は断念した。

   遠野市内の写真

 遠野発 13:06 の「快速はまゆり3号」に乗車して釜石へと向かう。釜石までは約50分の所要時間で、釜石で約30分の待ち合わせで
 三陸鉄道南リアス線に盛行きの列車に乗り換える。 この路線は比較的新しいためトンネルが多く、時々見える海岸沿いにはショペルカー等
 の重機が多く、あちらこちらで復興作業が進んでいる。 途中の「恋し浜」駅は震災後に高台に建て替えられたが、今は願い事が書かれた
 貝殻が多く展示されて、かなり元の状態に戻ったように思われる。停車時間も5分ほどあって、乗務員がカメラのシャッター押しのサービス
 をしていたので、私も1枚お願いした。 終点の盛駅には 16:05 に到着した。

   遠野~盛までの写真

 盛駅は大船渡線との接続駅であるが、大船渡線のうち盛-気仙沼間は鉄道ではなくBRT(バス高速輸送システム)になる。盛から
 陸前矢作(りくぜんやはぎ)行きのBRTに乗り換える。BRTは最初はバス専用道路は走るが、ここは震災の被害が少なかったところで
 元線路が敷かれていたところを流用している。道路幅はバス1台分しかなく、対向車と交換するエリアが所々にあり信号機によって制御
 されている。小友(おとも)「駅」を過ぎるとパス専用道ではなく一般道を通る事になる。 なお、盛発のBRTは気仙沼行きと陸前矢作
 行きがほぼ交互に発車しているが、その理由はBRTの陸前矢作「駅」は大船渡線の「旧陸前矢作駅」に位置しており、旧陸前矢作駅付近
 の住民を考慮したためである。 気仙沼方面に行くには陸前高田「駅」で別のBRTに乗り換える必要があるが、それはBRTは国道45
 号線を通り旧陸前矢作駅方面には行かないからである。 陸前高田「駅」は、高台に建てられた円筒形の鉄骨作り平屋建てで、駅事務室、
 待合室、トイレを備え、毎日ではないがみどりの窓口も営業している。旧陸前高田駅は平成31年3月末まで復興工事のため通行規制区域
 となっている。

 陸前高田で気仙沼行きのBRTに乗り換え、1つ目の「駅」があの有名な奇跡の一本松「駅」である。松があるところは「駅」から徒歩で
 すぐのところであるが、時間の関係で今回はBRTの車窓からの写真だけとなってしまった。 バスは気仙沼に近づくとまたバス専用道路
 となり、気仙沼へは 17:24 の到着となる。気仙沼駅は一ノ関方面の大船渡線と前谷地方面の気仙沼線が乗り入れているが、気仙沼線は
 ほとんどの区間がBRTとなっている。 今回は気仙沼発 17:50 の一ノ関行きのディーゼルカーに乗り、一ノ関へと向かう。
 途中、猊鼻渓駅があるが、ここは名勝地猊鼻渓のすぐ近くにあるので、近い将来行って見たいところである。

   盛~一ノ関までの写真

 一ノ関には 19:14 に到着し、一ノ関で東北新幹線「やまびこ56号」に乗り、仙台には20時頃到着した。ここから徒歩10分の
 メルパルク仙台が今夜の宿であるが、ここは過去2回ほど家族旅行で泊まったところなので、とても懐かしかった。


   旅行記(4日目)

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