4日目(6月30日)
 仙台 - 古川 - 岩出山(感覚ミュージーアム、有備館散策)…… 有備館 - 小牛田 - 石巻(石巻散策)- 女川 - 石巻 - 本塩釜(塩竈神社散策)- 仙台 - 東京




 (4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
    青色が実際に移動した軌跡。 ただし、仙台から自宅までのルートは省略。)


 この日は、当初の予定では松島散策をメインに計画していたが、あいにくの雨降りだったので予定を変更し、まずは陸羽東線の沿線にある
 感覚ミュージーアムと有備館を散策する事にした。仙台から東北新幹線で古川まで行き、古川から陸羽東線に乗り換えて、岩出山で下車。
 岩出山駅舎のすぐ隣の建物が農産物直売所でその中に「鉄道資料館」があったので覗いてみると、陸羽東線沿線の観光案内と古い鉄道グッズ
 が展示されていて興味深かった。 岩出山駅から感覚ミュージーアムまでの10分弱の道はのどかで歩きやすかった。



   (感覚ミュージーアムと有備館散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)


 感覚ミュージーアムは人間が持つ五感をテーマにした体験型の美術館で、見る/聞く/触れるといった感覚体験を通し感じる力に磨きをかけ
 想像力を高めることがこの美術館のセールスポイントになっている。この美術館へは過去2回家族旅行で来たことがあり印象が良かった所で
 ある。入口近くに木や竹を素材とした「創作楽器」があったが、これは前回と同じであった。その他、闇の中を手すりにつかまって進み
 オブジェを手で触れて鑑賞する「闇の森」、天井がガラスで床と壁が鏡ででき空中を歩いているような体験ができる「エアートラバース」、
 お風呂に入るように横たわり天井に写る幻想的に変化するパターンを楽しむ「ハートドーム」、などは確か前回にもあったと記憶しているが、
 体の一部を押しつけるとその部分が光の点で立体的に浮かび上がる「ライト3Dスカルプチャー」は確か前回は無かったと思う。
 約1時間ほど感覚ミュージーアムで楽しんだ後、徒歩で有備館へと向かう。

    感覚ミュージーアムと有備館散策の写真

 有備館は江戸時代に岩出山伊達家の家臣子弟の学問所となった建物で、日本最古の学問所(教育施設)であり、御改所(主屋)とその附属屋が
 現在まで残っている。有備館も家族旅行で1度来たところであるが、東日本大震災により「御改所(主屋)」が倒壊し、附属屋も壁や屋根に被害が
 および、庭園の各所に地割れや陥没の被害があり、しばらく閉館していたが、約2年半かけて復旧工事を行い、今年(2016年)の4月下旬から
 建物内部の公開が再開された。そのため「御改所(主屋)」の屋根はまだ新しい感じが残っており、建物内部も以前の状態を忠実に復元しつつも、
 見えないところでは耐震対策を行うなど、いろいろと配慮していた。雨降りであったが風情のある庭園を一周し、最近購入した自分撮り対応
 カメラで自撮りをしたが、自分の顔が大きく写りすぎてなかなかうまく撮れない。

 有備館のすぐ前に陸羽東線の有備館駅があるので、この駅から古川方面に引き返す事にする。有備館駅は東北の駅百選にも選ばれており、
 伊達政宗騎馬像、集会所、待合室などがあり、非常に綺麗な駅舎である。有備館発 11:33 の小牛田行きの列車に乗り、小牛田には 12:08 の
 到着。 小牛田駅は東北新幹線ができるまではこのあたりの主要駅だったようで非常に広い構内が残っているが、今は駅の待合室には売店も
 なく典型的な「かつて鉄道で栄えた駅」である。かろうじて駅ホーム内に小さなキヨスクを見つけ、おにぎりを買って昼食とした。
 小牛田からは石巻線の列車に乗り換え、石巻へと向かう。途中の前谷地駅は昨日通った気仙沼へと向かう気仙沼線へ分岐するが、現在気仙沼線
 は途中の柳津(やないず)までした鉄道は復旧しておらず、柳津から気仙沼まではBRTとなっている。 小牛田から約40分で石巻に到着。

    小牛田から石巻までおよび石巻市内の写真

 石巻で約1時間ほど時間があったので、大急ぎで石巻駅から徒歩15分の石ノ森漫画館へ向かう。石ノ森漫画館は宮城県出身の漫画家、
 石ノ森章太郎の記念館(マンガミュージアム)であり、仮面ライダーやサイボーグ009をはじめとするキャラクターが満載の常設コーナーの他
 実際に漫画を視聴できるコーナーや、この日は特別企画展として東村アキコ氏の展示があった。時間の関係で展示物を駆け足で見て、石巻駅
 へと引き返す。駅までの道は通称「マンガロード」と呼ばれ、石ノ森章太郎のマンガキャラクターのモニュメントがたくさんあった。




  (石巻市内散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)


 石巻から石巻線の終点の女川へと向かう。25分ほどで女川駅に着いて駅舎を見ると立派な駅舎にビックリした。東日本大震災で女川駅は
 津波で流出してしまい、今の駅舎は元の場所から約200m内陸側に移設されたものである。女川から石巻に引き返し、石巻から仙石線の電車
 に乗り換える。仙石線も東日本大震災による被害を受け長い間一部の区間が不通となっていたが、陸前大塚駅-陸前小野駅間を高台のルート
 に移転し、2015年5月末から全線で運行が再開された。その際、途中の高城町駅から東北本線へ合流する路線も新設され、現在はこのルート
 で石巻ー仙台間を約1時間で走る「仙石東北ライン」という名で快速電車が運行されている。 今回石巻からは従来の仙石線を通る各駅停車
 の電車に乗る。雨模様の松島の絶景を車窓で見ながら、松島海岸駅を過ぎ、本塩釜で下車する。

 本塩釜駅から徒歩15分の塩竈神社へと向かう。塩竈神社は厳密には志波彦神社(しわひこじんじゃ)と鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の2社
 が同一敷地内にあり境内はとても広い。塩竈神社は「塩」にまつわる神様をお祀りしているところで、主祭神である塩土老翁神(しおつち
 おじのかみ)は、人々に塩づくりの製法を伝えたと言われている神様である。雨模様にもかかわらず大勢の人々が参拝に来ていたので何だろう
 と思っていたらこの日は「夏越(なごし)大祓(おおはらえ)」という儀式の日であった。この種の儀式は6月と12月の年に2回行われ、
 半年間知らず知らず積もった人々の罪や穢れを祓うと共に地域全体のお祓いもして残りの半年を無事に過ごすための儀式である。
 この儀式では茅輪(ちのわ)くぐりという神事も行い、みんなで和歌を唱えながら3度輪をくぐる。 私のような観光客でも御利益がある
 らしいので私も便乗してこの儀式に参加した。参加者は500人を超えていただろうか。いずれにせよ珍しい経験ができて楽しかった。



    (塩竈神社散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)

   塩竈神社の写真


 仙石線の終点は仙台の次の「あおば通」駅であるが、この線は仙台駅に近づくと地下に入ってしまうので、車窓は楽しめないが終点の
 あおば通り駅まで行った後仙台駅まで引き返す。仙台駅では夕食を食べお土産を買い、ゆっくりくつろいだ後、仙台発 20:30 のはやぶさ36号
 で帰路についた。東京着 22:04 で自宅には日をまたがずにその日の 23:30 頃に帰る事ができた。


  大人の休日倶楽部パスによる新潟福島岩手宮城旅行記 TOPにもどる