3日目 10月20日(水)
 岩国-(錦川鉄道で錦町へ往復)-岩国-糸崎-福山(散策)-岡山(泊)



(3日目の行程。GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。青色が実際に移動した軌跡。)

 今回の旅行の目的の1つは、錦川鉄道の錦川清流線に乗り鉄する事である。錦川清流線は岩国から2つ目の川西
 から錦川までの 32.7km の単線非電化区間である。岩国-川西間はJR岩徳線の区間であるが、錦川清流線は
 全ての列車が 岩国駅まで乗り入れている。早朝にホテルをチェックアウトして、岩国 6:56 発の列車に乗車する。
 車内で1日乗車券(2000円)を購入。岩国-川西間のJR区間は青春18キップでカバーできるのは昨日の井原鉄道
 と大きく違っている。なお、川西-錦町間は片道980円であるので特に1日乗車券を購入する必要は無いが、記念品
 をもらえるとの事だったので購入する事にした。岩国の次の西岩国駅は 2017年3月に下車して駅舎を見た事が
 あるが、昔の岩国駅であり錦帯橋への観光客の利用駅であったため、駅舎の洋風の建物は正面玄関などに錦帯橋
 をモチーフにしたと思われるデザインが取り入れられている。今回は残念ながら西岩国駅には途中下車する時間は
 なかった。次の川西駅はJR岩徳線との分岐駅で、2012年9月に初めて青春18キップを使って錦帯橋へはこの駅
 から徒歩25分かけて行った思い出がある。川西から錦川清流線に乗車すると途中に清流新岩国駅があるが、
 この駅は山陽新幹線の新岩国駅の近くにあり、実際新幹線の駅舎も見る事ができる。
 清流新岩国駅を過ぎてしばらくした時点で、列車は山口県唯一の川である錦川に沿って走行する。列車はワンマン
 で運行しているが、沿線の観光スポットを車内放送していた。錦川清流線はテレビの旅番組でも取り上げられた事
 があり、テレビで見た記憶内容と実際の風景で一致した部分がかなりあった。岩国から約1時間乗車して、終点の
 錦町には 8:02 の到着。



 (岩国-錦町間。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)

   錦川鉄道沿線の写真

 錦町駅は有人駅で、土日祝日は「とことこトレイン」と呼ばれるゴムタイヤ遊覧車が運行しており、コロナ騒ぎの
 前はそこそこの集客があり「とことこトレイン」は黒字経営をしていたとの事。実は旧国鉄時代に錦町から現在の
 JR山口線の日原駅までを結ぶ建設計画があり、途中まで土台の建設が進んでいたが国鉄が民営化する際にこの建設
 計画も中止になってしまった。「とことこトレイン」は錦町から途中の雙津峡(そうづきょう)温泉まで路盤が
 整備されているので、約6kmを40分~50分かけて観光用として走らせている。途中、光る蛍光石で装飾された
 「きらら夢トンネル」や春には「桜のトンネル」などもあり魅力的で一度は乗車してみたいと感じた。
 この日は平日なので、「とことこトレイン」は写真を撮るだけとなった。
 錦町駅で1日乗車券を見せると絵はがきと記念乗車券を頂けた。
 錦川清流線では、「清流と奏でる自然の風景」をテーマに、車両ごとに異なるボディカラーを使ったラッピング
 列車を運行しており、「森林のグリーンのこもれび号」、「清流のブルーのせせらぎ号」、「蛍の光のイエロー
 のきらめき号」、「桜のピンクのひだまり号」の4色を使ったラッピング列車が存在しているが、この日は
 何故か「清流のブルーのせせらぎ号」は見つける事ができなかった。 錦町 8:29 発の折り返し列車に乗車し、
 岩国には 9:36 に到着。 なお、今回は往復とも「森林のグリーンのこもれび号」での乗車であった。

 岩国 9:58 発糸崎行きの電車に乗車し、次の目的地の福山へと向かう。岩国-広島間に宮島口駅があり、車窓から
 改修中の厳島神社の現状がどうなっているか気になったが良くわからなかった。 糸崎には車両基地があり多くの
 電車が停車していたが駅自体はみどりの窓口もない小さく寂しい駅であった。糸崎で乗り換えて福山へは 12:47 の
 到着。 福山から路線バスに乗り換えて約30分ほどでこの日の最大の観光スポットの鞆の浦(とものうら)に
 着く事ができた。
 鞆の浦は、瀬戸内の要港として発展した港町で、船が風と潮の流れを利用していた時代に瀬戸内海の潮の分かれ目
 となるこの地には潮の満ち引きを待つ潮待ちの港として栄えたところである。この町には、住民の高い防災意識に
 よって保存されてきた、記念碑的な町並みや史跡が数多く残っている。散策前に昼食のために入ったお店が健康食
 として「こだわりの発酵食ごはん」を提供していたので「発酵和風カレーセット」を注文した。無添加のポタージュ
 スープやあまざけのドレッシング、コーヒーもミルクや砂糖無しの無農薬玄米を焙煎したもので、どれも珍しく
 美味しくいただいた。昼食の後は、鞆の浦のシンボルである常夜燈(じょうやとう)や、鞆の浦の特産品である
 「保命酒(ほうめいしゅ)」の誕生の地である太田家住宅(ただし内部には入れず)や、お店が並ぶ古い町並み
 を通り、鞆城跡の高台に建設された「福山市鞆の浦歴史民俗資料館」などを散策した。資料館の館内には、古代から
 近世に至る歴史資料、お手火神事やお弓神事といった祭りや行事に関する民俗資料などが常設展示され、鞆の歴史を
 分かりやすく学ぶことができるようになっている。また鞆の浦は坂本龍馬にゆかりのあるところで、屋根裏部屋に
 坂本龍馬が宿泊したという伝承されている屋敷があるが、残念ながら時間の関係でここは行く事ができなかった。
 鞆の浦をゆっくり散策するには半日以上必要かもしれない。



  (鞆の浦の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)

   鞆の浦の写真

 約3時間の鞆の浦散策を終え、再び路線バスで福山駅へと向かう。この路線バスは小中学生が通学でも利用して
 いるようで、途中で満員になった。
 福山 16:06 の電車で岡山へと向かい、岡山には 17:06 の到着となった。今日はホテルは、「スーパーホテル
 岡山東口」というビジナスホテルで、久しぶりに早いチェックインとなった。チェックイン後は岡山駅の駅ビル内
 のレストラン街で夕食をとった。


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