4日目 10月21日(木)
岡山(後楽園散策)-吉備津(吉備津神社と吉備津彦神社散策)…備前一宮-岡山-児島(児島駅周辺と鷲羽山散策)-岡山-(夜行特急)-横浜-町田
(4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。 ただし、岡山駅から自宅までのルートは省略)
3日間有効の「秋の乗り放題パス」は昨日で期限が切れたので、この日は別料金で岡山周辺を散策し、岡山を
22:34 に発車する夜行特急サンライズ瀬戸で首都圏へ戻ってくる、という計画である。
最初は、ホテルから徒歩で日本三名園のひとつである後楽園へと向かう。駅前からバスや市電を使う方法も
あるが徒歩でも25分程度の距離なので、歩いて行く事にした。今月(10月)は午前8時から開園しており、
入園料は65才以上だと何と140円(通常の大人料金は410円)であった。 後楽園と岡山城の共通入場券は、
現在岡山城付近が 2022年9月まで改修工事中のため発売中止になったいるので、今回は残念ながら後楽園
だけの散策となった。
後楽園は江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政によって造営された、元禄文化を代表する庭園で、国の特別名勝
に指定されている。園内には、藩主の居間である延養亭(えんようてい)、能舞台がある栄唱の間(えいしょう
のま)、戦災をまぬがれた数少ない建物の一つである廉池軒(れんちけん)、藩主の庭廻りや賓客の接待などで
休憩所として使われた流店(りゅうてん)、茶室の茶祖堂(ちゃそどう)といった建物以外にも梅林、茶畑なども
あり、朝早いこともありゆっくりと散策できた。またこの日は能舞台がある栄唱の間で結婚式が行われる予定で
関係者が準備していた。
(後楽園の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
後楽園の写真
後楽園を約2時間散策した後岡山駅に戻り、岡山 10:18 発のJR吉備線(別名は桃太郎線)の列車に乗車する。
JR吉備線は岡山-総社を結ぶ 20.4km の単線非電化路線であるが、沿線はIC乗車券が利用でき、日中の列車の
本数は1時間に1本程度と少ないが結構利用者が多いように思えた。岡山から4つ目の吉備津には 10:37 に到着。
関東私鉄の PASMO(パスモ)も問題無く利用できた。 吉備津駅は吉備津神社の最寄り駅で徒歩10分程度の
距離にある。吉備津神社は大吉備津彦大神を主祭神とする山陽道屈指の大社で、社殿は「吉備津造り」と呼ばれる
全国唯一の造りとなっており国宝に指定されている。この神社の神事である「鳴釜神事」は桃太郎伝説にゆかりの
ある神事で、退治された鬼「温羅」の首にまつわる釜を炊く音で吉凶を占う神事となっている。
吉備津神社と吉備津彦神社の写真
吉備津神社から約2km程離れたところにこの吉備津神社が分社して造られた吉備津彦神社があるので、せっかくの
機会なので歩いて行く事にした。吉備津彦神社は桃太郎のモデルとなった吉備津彦命(きびつひこのみこと)を
祭る神社と言われており、伝統的な神社建築の建物と深い緑の樹木が一体となった景観は荘厳華麗な雰囲気で
あり、本殿は県指定の重要文化財に指定されている。
(吉備津神社と吉備津彦神社の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
大急ぎで2つの神社を見た後、吉備津彦神社の最寄りの駅である備前一宮駅から、同駅 11:39 発の列車で
岡山へと引き返し、岡山ではJR瀬戸大橋線の快速電車「マリンライナー号」に乗り換え次の目的地である児島
へと向かう。児島には 12:33 に到着。
児島では、廃止された旧下津井電鉄軌道跡を整備した「風の道」と瀬戸内海を一望できる鷲羽山(わしゅうざん)
をメインに散策する計画を事前に立てており、風の道はレンタサイクルを利用する予定であった。
しかし児島駅構内にある観光案内所は12時~13時まで閉鎖していたので、実際に自転車を借りられたのは
13時頃であった。だたし電動アシスト付きが借りられたのは幸運であった。
児島はジーンズで有名であるので、最初に自転車でジーンズストリートへと向かう。しかしこの日は平日の
ためかコロナのためか不明であるが、営業しているお店が少なかったのでジーンズストリートの場所がよく
わからなかったがようやく何枚ものジーンズをぶら下げているアーケードを見つける事ができた。
ジーンズストリートの近くに「風の道」の出発地点があり、そこに旧下津井電鉄の旧児島駅が良い状態で保存
されていた。風の道は、この旧児島駅~旧下津井駅の約6.3kmの歩行者・自転車専用道で、途中の備前赤崎駅、
阿津駅、琴海駅、鷲羽山駅、東下津井駅を経て下津井駅まで電動アシスト付き自転車で約40分で行く事が
できた。途中駅はホームはそのまま残っており、終点の下津井駅には当時実際に使われていた車両も残って
おり、保存状態の良さにとても感心した。下津井駅付近には「小さなてつどう館」があったが残念ながら
平日はオープンしていなかった。
児島市内の写真
下津井駅から児島駅は一般道を通ったが、途中間違って坂の多いルートになってしまい苦労したが、何とか
余裕を持って児島駅に到着する事ができた。駅の近くの児島港にも立ち寄ることができた。
レンタサイクルを返却して、次は最後の観光スポットである鷲羽山へ向かうために1時間に1本走っている
「下津井循環線 とこはい号」という循環バスを利用する。このバスの1日乗車券は520円と格安で3回利用
すれば元がとれてしまう。
児島駅を 15:30 に発車するバスに乗車する。このバスは児島市内を回った後、山中にある鷲羽山ハイランド
へ行ったりとアップダウンが激しいルートでバスの車窓を見ているだけでも楽しい。「むかし下津井回船
問屋前」というバス停で下車。むかし下津井回船問屋は、明治時代の回船問屋の建物を復元した資料館で、
母屋など当時の商家の様子がうかがえるほか、下津井にまつわる資料の展示があり、次のバスまでの1時間
をゆっくりと楽しむ事ができた。「むかし下津井回船問屋前」バス停から 16:48のバスに乗車し、鷲羽山
第二展望台には 16:59 に到着。下車時に運転手より次の 17:59 の最終バスに乗り遅れないように、との
お声をかけて頂いた。
(児島市内と鷲羽山の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
鷲羽山の写真
鷲羽山は標高は133mしかないが瀬戸内海国立公園の代表的な景勝地で、名前の由来は鷲が羽を広げた様子に
似ていることから名付けられた。日本の夕陽百選に選定されている程夕景の美しさは格別であるが、今回は
むかし下津井回船問屋へ立ち寄ったので鷲羽山第二展望台についたのは日没直後であったが、瀬戸内海の
絶景は十分に楽しむ事ができた。 2日目の旅行記で神庭の滝には約45年前にも来たことがある、と記述
したが実はその時に鷲羽山にも来ているのである。当時は瀬戸大橋が建設される前だったが、当時の写真が
あったので、今回のものと比較して見たが、瀬戸大橋の有無を除いて同じ景色であった。(当然だが)
当時宿泊した「鷲羽山ユースホステル」は 2015年3月まで営業しており、循環バスのバス停も存在して
いたようで、もう一度見ておきたかった、と少し残念な気持ちになった。
まだ明るいので、第二展望台から少し歩いて第一展望台まで行ってみた。少し標高が高くなったので、
瀬戸内海の風景が少し変わったようになった。
鷲羽山第二展望台のバス停で 17:59 発の最終バスを待っている間にすっかりあたりは暗くなってしまい
最終バスが児島駅に着いたのは予定より遅れて 18:15 頃だったので、岡山行きの快速「マリンライナー号」
の接続は25分待ちとなった。岡山駅に到着後、昨日とは違うレストランで夕食を済ました後は、駅ビル
が21時過ぎまでオープンしているので、22:34 発の夜行特急サンライズ瀬戸への待ち時間はそこで時間を
つぶす事ができた。 21:50頃に岡山駅のホームに入ったところ、まだお土産店が営業していたので、岡山
名物の「きび団子」菓子を購入する事ができた。
特急サンライズ瀬戸は岡山駅で出雲市から来る特急サイライズ出雲を連結して東京へと向かう。
サンライズ瀬戸/サンライズ出雲は基本は寝台列車であるが、寝台料金が不要で特急座席指定券だけで
乗車できる「ノビノビ座席」というのがあり、今回の旅行では「ノビノビ座席」を経験するのも1つの
目的であった。私はジパング会員で運賃と特急料金は3割引になるので、岡山-横浜市内間は運賃が
7230円で特急料金が2680円の合計9910円で乗車する事ができるので、かなりのお得感があった。
「ノビノビ座席」には毛布1枚とマクラカバーしか無いのでリュックをまくら代わりにする必要が
あり、床が硬いので毛布は敷き布団代わりに使った方が良いと思われる。私は寒がりな方なので毛布を
掛け布団代わりに使ったので、翌日少し腰部が痛くなった。
横浜には 6:44 に到着し、東神奈川からJR横浜線に乗り換えて自宅へと向かう。キップは横浜市内と
なっているので長津田駅まで有効となり、町田駅で長津田-町田間の 160円を精算し、小田急に乗り
換え自宅には朝8時過ぎに到着する事ができた。
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