第2日目 10月7日(日)
ボッケ自然探勝路(朝食前)→ ペンケトー・パンケトー探勝会(ペンケトー湖畔−パンケトー湖畔−イベシベツ養魚場−イベシベツ川の乙女の滝−チュウルイ湾)→ 中標津町市街地(泊)
昨日は21時頃には寝てしまったので、この日は朝5時には目が覚めてしまった。朝風呂の後、朝食(7時に予約)まで時間があるので、ボッケ自然探勝路を散策した。
ボッケとはアイヌ語でポプケ(煮え立つの意)からつけられた地名で柵の中の泥火山の事をさす。この自然探勝路は約1.5km程度なので、ゆっくり回っても約40分であった。
途中、石川啄木の歌碑、マリモの唄の歌碑、弁慶の足湯などがあった。
ホテル阿寒湖荘をチェックアウトしたが、集合時間(8:45)まで少し時間があったので、阿寒湖スキー場のふもとのレストハウスまで行った。阿寒湖の展望を期待したが、さすがに標高
が低いようで、全貌を見るには標高950mの白湯山に登る必要があるようである。レストハウスの駐車場がら1.9kmで約90分の行程なので、次回機会があったらチャレンジしたい
ところである。
ボッケ自然探勝路と阿寒湖スキー場の写真
ペンケトー・パンケトー探勝会の参加費は、財団法人自然公園財団の「阿寒・摩周」という500円の本付きで4000円を現地払いである。募集人員は16名であったが今回は13名が参加
しており、阿寒湖エコーミュージアムセンターが用意したマイクロバス2台に分かれて乗車した。このほかスタッフ用としてランドクルーザーが1台の全部で3台で構成される。
各マイクロバスには阿寒湖エコーミュージアムセンターの職員が1名乗り込み、今回の探勝会での注意事項、コースの紹介など随時説明があった。
阿寒湖畔を外れ、未舗装の道路をしばらく行くと、ペンケトー・ハンケトーへの林道のゲートがあり、ここで環境省の人が入場をチェックしていた。ゲートを過ぎて約50分ほど未舗装の道路を
走行するが、結構揺れるので自動車に酔う人はつらいかもしれない。 この林道はエゾマツ・トドマツ等の樹木に覆われているが、それでも進行方向右手に阿寒湖やパンケトー、両者をつなぐ
イベシベツ川を見ることができる。また林道には、時折エゾシカなどが横断する、といった光景も見られた。道中の観光ポイントは帰りに立ち寄り、行きは林道の終着点と思われるパンケトー
四の沢まで直通というコースである。阿寒湖エコーミュージアムセンターを出発して約50分でパンケトー四の沢に到着した。
一行はここでこれからの歩きのための準備体操を行い、スタッフは熊よけのための爆竹を鳴らし、約45分間の行程でペンケトーに向かう。この道は一部笹に覆われているところもあるので
靴はそれなりのものが必要である。私はスポーツシューズを事前に用意してきたが、スタッフの方々は長靴をはいていた。 途中、朽ち果てた樹木の上に新しく樹木が育っているような光景を
何度も見かけ、ここは人間が手をいれなくても生態系がちゃんと機能しているようである。
なお、このあたりは当然のことながら携帯電話網は圏外であるので、私の iPod Touch にはあらかじめ Mapfan という地図ソフトをインストールしておき(この地図ソフトは iPod Touch 内の
メモリーに地図データを格納するので、Google Map と違ってネットワーク接続ができなくても地図を見ることができる)、さらに iPod Touch 用の GPS 受信機(Bad elf GPS)を持って来たので
iPod Touch は歩行者ナビとして使え、現在地を知るには非常に便利であった。
マイクロバスから降りて約40分ほど歩くと眼下にペンケトーのきれいな湖水が見えてきた。下り道を5分ほど降りてペンケトー湖畔に着く。この日は天気が良かった事もあり、湖はエメラルド
グリーン色に輝き、雄阿寒岳もきれいに見え、そのすばらしさに息をのんでしまった。 はるか遠くに国道241号線の双湖台の駐車場の建物が見えた。以前に双湖台からペンケトーを眺め、その
湖畔に行ってみたい、と思っていたのがこうして現実になると感慨深いものである。
ペンケトーの写真
ペンケトー湖畔で約20分ほど楽しんだ後、来た道を引き返しマイクロバスが待っているパンケトー四の沢まで戻り、次はパンケトー湖畔へ向かう。双湖台からはパンケトーは少しだけしか
見えないが、実はパンケトーの方がペンケトーがずっと大きいのである。 パンケトー湖畔は林道からすぐ降りることができるので、ペンケトーの方が神秘性があるように感じた。
この日はパンケトー湖畔で環境省のメンバーが外来種のザリガニを捕まえて調査していた。外来種のザリガニはマリモを食べてしまうなど、このあたりの生態系に悪影響を与えるので駆除する
との事であった。阿寒湖やパンケトーには外来種のザリガニが発見されているが、ペンケトーでは未だザリガニが発見されておらず、これ以上のザリガニの繁殖を食い止めるのが急務、との事
であった。ちなみに外来種を持ち込むと、発見されれば個人は罰金が350万円で法人ならば億単位の罰金がかかるとの説明であった。
パンケトーも静かな湖で、ここからも雄阿寒岳や阿寒の山々がきれいに見えた。
パンケトーの写真
次に行ったのは、阿寒湖の東北端にあるイベシベツ養魚場である。前述のように阿寒湖の特別保護区域に入るには環境省の特別な許可が必要であるが、昔から阿寒湖で漁業を営んでいた阿寒湖
漁業組合の人は既得権のためか入場が許されている。このイベシベツ養魚場は漁業組合がアメマスやヒメマスなどを養殖しているところで、漁業組合の管理用の家が1軒建っている。昼食は
各自が持って来たものをここで取る事になっていたが、漁業組合よりキノコ入りの味噌汁とヒメマスの刺身の差し入れがあり、美味しくいただいた。
その後、少しパンケトーの方向に逆戻りし、イベシベツ川のビューポイントである乙女の滝付近でマイクロバスを降り、イベシベツ川に沿って少し散策した。今年は温暖気候のため紅葉が
遅れているが、乙女の滝のところに1本だけ真っ赤に紅葉した木があり、風景を引き立てていた。 それにしてもイベシベツ川は本当に人間に汚染されていないきれいな川で、アメマスなど
がのびのびと川を泳いでいた。
イベシベツ養魚場と乙女の滝の写真
一行はマイクロバスに乗り、最後の予定地である阿寒湖北部のチュウルイ湾に向かった。バスの車窓から3人の男性が歩いているのを見かけたが、そのうちの1人は何と倉本聰さんであった。
6日〜8日までの3連休に阿寒湖畔では「マリモ祭り」をやっており、その中の1つのイベントとして「森を考える」シンポジウムを本日(7日)の16時から行う予定で、倉本聰さんは
このシンポジウムのパネラーとの事で、そのための取材であろう、との説明であった。今回の探勝会の参加者の中にはこのシンポジウムに参加される方もいたが、私は今日は中標津町まで
行く必要があるので、残念ながら割愛する事にした。
チュウルイ湾は実際に多くのマリモが生育するところで、実際にも湖岸にマリモが打ち上げられていたり、湖に少し足を踏み入れると実際のマリモを手にすることができる。
一般の観光客は阿寒湖畔から観光船で阿寒湖に浮かぶチュウルイ島でマリモの養殖と展示を見ることができる。 今回チュウルイ湾から、チュウルイ島に停泊する観光船を見る事ができた。
チュウルイ湾の写真
チュウルイ湾で大きなマリモを実際に手に取るという貴重な経験をして、マイクロバスは阿寒湖エコーミュージアムセンターに向かい、今回の自然探勝会も終わりとなった。
自然探勝会は15時過ぎに現地解散となったので、私は本日の宿泊地である中標津町に向かって約90kmの道のりをドライブする。途中、国道241号線の双湖台に立ち寄り、ここから
ペンケトーとパンケトーを眺めたが、数時間前に遠くに見えるペンケトー湖畔に居たとは信じられない気持ちになった。雄阿寒岳と雌阿寒岳の両方を見ることができる双岳台に立ち寄り、
中標津町のホテル開陽インに到着したのは18時頃で、あたりはすっかり暗くなっていた。
双湖台と双岳台の写真
旅行記(3日目)
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