2日目 10月14日(水)
 名古屋 - 犬山遊園 (犬山散策)- 犬山 - 名古屋 - 中津川 - 木曽福島(木曽福島散策)- 松本(泊)



   (第2日目の行程   GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 赤色が実際に移動した軌跡。)


 
昨日事前に購入しておいた「犬山城下町きっぷ」を使って、8:08 発の名鉄の特急電車で犬山遊園へと向かう。 約30分程で犬山遊園駅に到着する。
 犬山遊園駅から国宝の犬山城までは木曽川に沿った遊歩道で、犬山城は9時に開館なので、のんびりと歩いていると、ジョギングをする人もいて、
 歩くのには気持ちの良い道である。 犬山城のそばに、三光稲荷神社と綱針神社が並んで存在しており、「祝七五三」の旗がひらめいていた。 
 犬山城の天守入口でスリッパに履き替えて上への上って行くが、古い階段がどれも急で上るのが大変だ。 入口でこの急な階段を見て、ご年配の方で
 上るのを断念する人もいた。 

 天守最上階は、手すりの高さが高くないので、小さい子ども連れにはとても怖い感じがしたが、この日はさすがに平日なのでシニア層が中心であった。
 天守最上階で案内している人も地元のご年配のボランティアの方で、私が本日最初に上った観光客との事だった。 最上階からの眺めは素晴らしく、
 犬山市内や木曽川のほかに、はるか遠くで、昨年(2014年)の噴火による悲惨な事故があった木曽の御嶽山の姿も見ることもできた。

   犬山城の写真

 天守を降り、犬山の古い町並みが残る本町通りを歩き犬山駅へと向かう。 途中、愛知万博10周年を記念したイベントの宣伝ポスターがあった。
 街をぶらぶら歩き、最初に入ったのは「城とまちミュージアム」という犬山市の文化資料館で、主に江戸時代の犬山の歴史や文化を展示している
 ものであるが、向かいの別館の「からくり展示館」の方が印象に残った。ここは犬山祭の車山(やま)に関する貴重な歴史資料も間近で眺められる
 ほかに、金土限定で九代玉屋庄兵衛氏によるからくり人形細工の実演を見ることができるところである。 この日は水曜日なので実演はなかったが
 玉屋庄兵衛の工房の展示もあり、興味深かった。

 街中を歩き、名鉄クーポンを使って、壽俵屋(じゅひょうや)という「醤油おこげ串」という、焼いたお米と漬け物を串にさしたものを買ったが
 これが以外と美味しかった。ここでも特典は福引券を引く事で、商品は10円のキャッシュバックであった。 他に予定していたお店は、定休日
 だったり開店が11時と遅かったりで、残念ながら名鉄クーポンは1枚残してしまった。
 次に入ったのは「旧磯部家住宅」で、江戸期の建築様式を持つ木造家屋であるが、間口が狭く奥行きが広い「ウナギの寝床」のようになっていた。
 建物の一部は展示室(ギャラリー)として貸出しており、この日は展示の準備中であった。猫の面白い展示物もあった。
 本町通りをぶらぶらと散策していると、若い豆腐売りの威勢の良い声が響き、地元のお年寄りが購入していた。

   犬山市内の写真

 途中犬山駅へ曲がる道を間違え、少し時間を浪費したが、犬山-名古屋間の電車の本数は多いので、次の急行電車に乗って名古屋駅にほぼ予定
 どおり到着した。



 (犬山散策 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 名古屋から中央本線(中央西線)で、次の目的地である木曽福島へと向かう。ここは旧中山道の主要な宿場町であり、かつ日本四大関所の1つの
 福島関所の跡もある。ちなみに残りの3つは、「天下の険」と歌われた「箱根」、浜名湖の西岸に設けられた「新居」、関東・信濃・北陸の分岐点に
 当たる「碓氷」である。
 名古屋から中津川までは電車の本数が多いが、その先は極端に少なくなるので、当初の予定を変更して、中津川-木曽福島間は不本意ながら特急列車を
 利用し、木曽福島での滞在時間を2時間確保する事にした。「秋の乗り放題パス」では特急電車に乗車するには乗車券も別購入する必要があるので、
 わずか35分間に2150円の出費である。 その分、木曽福島の散策に期待を寄せる事にした。
 確かに中津川で乗り換えた「特急 ワイドビューしなの13号」は快適であった。



               (追加購入した、特急券と乗車券)


 木曽福島駅でパンフレットを入手し、早速、福島関所の跡がある「福島関所資料館」へと向かう。 パンフレットには、あちらこちらに「水」の表示
 があるが、これは水場の事で、この街には常に水が出ている多くの水場がある。 最初、「福島関所資料館」の場所に気がつかず通り過ぎてしまい
 あわてて引き返す。 資料館の入口で「まちなか観歩きプラン 三館共通券」というのを購入したが、これは「福島関所資料館」、「興禅寺」、
 「山村代官屋敷」の3カ所の拝観券と木曽の水源水のペットボトル1本が付いて900円の期間限定の割引券である。

 福島関所は断崖絶壁の木曽川と急な斜面をもつ山に挟まれた狭い敷地に置かれ、確かにこのロケーションでは人の通行を取り締まる格好の場所で
 あるように思える。資料館には関所通行に関する資料や関所に置かれていた武具などが展示されていた。
 しかし見学者は自分ひとりだけで、何とも寂しい雰囲気であった。

 資料館から坂道を下り、興禅寺(こうぜんじ)へと向かう。興禅寺は、この地域を支配していた木曽氏と福島関所を管理していた山村氏の菩提寺で、
 日本一広い「看雲庭(かんうんてい)」と呼ばれる大きな枯山水の庭が有名、との事で、確かに京都の竜安寺より大きい石庭である。石の数は竜安寺
 と同じく15個であるが、作者の重森三玲は龍安寺のコピーにならないよう意識した作ったとの事である。興禅寺はこのほかにも、万松庭、昇龍の庭、
 須弥山の庭、などもあり、見どころが多い寺である。

 次に、山村代官屋敷へと向かう。山村代官屋敷は福島関所の関守を兼ねていた山村代官の暮らしたこの御屋敷で、現存しているのは下屋敷の一部と
 庭園のみであるが、山村家の文化資料、著書、調度品などが展示されている。 この日は10名程度のお年寄りの団体客が来ていて、三館の中では
 一番賑やかであった。 地元のボランティアが説明等の対応をしていたが、この屋敷の御神体として奉られている狐のミイラを団体客に見せており、
 私も便乗してその狐のミイラを見ることができた。

   木曽福島の写真

 三館を見た後、再び木曽福島駅へと向かう。帰りは木曽川に沿った、趣のある街並みの散策を楽しむ事ができ、特急電車乗車による出費をカバー
 するだけの、有意義な2時間の散策であった。



   (木曽福島散策 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 木曽福島 16:32 発の各停電車に乗り松本へと向かう。 途中、昔家族旅行で来たことがある奈良井宿の最寄りの駅の奈良井駅を通った。 今回は
 奈良井宿は最初から予定に無かったが、福島宿が良かったので、次回機会があれば奈良井宿にも再度行きたいと思う。
 各停電車は 17:41 に松本に到着。 今夜は、松本駅の近くのビジネスホテルでの宿泊である。



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