2日目 9月7日(水)
 美濃太田-美濃市(美濃市散策)-北濃-関(関市内散策)-美濃太田(泊)





   (2日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
    青色が実際に移動した軌跡。)


 この日は、今回の主目的である長良川鉄道に乗車する。長良川鉄道の前身は旧国鉄越美南線で、当初の計画では現在JR西日本が営業している
 越美南線(福井-九頭竜湖)と繋がる計画であったが、現在は第三セクター線の長良川鉄道として美濃太田-北濃間の72.1キロが営業されている。
 まずは長良川鉄道の1日フリーキップ(2700円)を購入する事になるが、このキップは有人の窓口販売せず、しかも美濃太田駅の有人窓口の
 営業は朝9時からだったので、事前に同社に確認した通り、キップなしの状態で列車の乗務員にフリーキップ購入の意思を伝える。すると
 長良川鉄道の主要駅である関駅で駅員がフリーキップを持ってきてくれるので、ここで購入する事ができた。
 なおこのフリーキップは2016年12月31日までの限定販売となっている。

 関駅から4つ目の美濃市駅に 7:57 に到着。和紙産業のまちとして歴史を刻んできた美濃市は、和紙を作るための良質な材料と、長良川がもたらす
 清らかな水と水運に恵まれ、和紙問屋として栄えてきた町家は、「うだつの上がる町並み」として岐阜県有数の観光スポットとなっている。
 木造のこじんまりとした駅舎からうだつの町並み方面に歩いて行くと旧名鉄美濃駅があるが、朝早く公開前だったので帰りに寄ることにする。
 美濃市駅から徒歩15分ほどで、うだつの上がる町並の中心地に着くので、しばらくのんびりと散策を楽しむ。旧今井家住宅などの公開観光
 スポットはまだ営業時間前だったので、最初に国の重要文化財になっている美濃橋へと向かう。長良川を渡る赤色の美濃橋は現存する日本最古の
 近代吊り橋で、大正5年に竣工された。現在は人と自転車のみが通行できる。 美濃橋から長良川に沿って5分ほど歩いて上有知湊(川湊灯台)に
 着く。明治末期まで美濃町は「上有知(こうずち)」と呼ばれていたため、このような名前となっている。川湊(かわみなと)は人々が集まり商いを
 する船着場のことで、ここは長良川畔に物資輸送の玄関口として江戸時代から明治末期まで流通、交通の中心として栄えたところである。
 次に小倉公園へと向かう。ここは以前は小倉山城があったところであるが、今は公園として市民や観光客に親しまれており、展望スペースもある。
 桜の木が約1000本あるので、桜のシーズンには多くの人で賑わうとの事である。

   美濃市の写真

 午前9時を過ぎたので、うだつの上がる町並みに戻り旧今井家住宅を見る。ここは美濃市で最も古いうだつが上がる、庄屋兼和紙問屋であった町家で
 江戸時代中期に建てられ明治初期に増築されたと言われている。ここは町並みの建物の中でも最大級の間取りとなっており、奥には美濃市の古い歴史、
 文化、造形物に関する史料を展示した史料館などもあった。 次に訪れたあかりアート館は、伝統の美濃和紙を使ったあかりアート作品を展示しており、
 建物内部は木と和紙を使用し落ち着いた雰囲気となっている。アマチュアの人の作品も多く展示されていた。

 美濃市駅に戻る途中、旧名鉄美濃駅へ立ち寄る。ここは明治44年から平成11年まで90年間にわたり営業していた名鉄美濃町線の終着駅で、
 美濃-新関間の路線廃止に伴い歴史ある駅舎を整備し、美濃町線にゆかりのある路面電車3両及び電車に関するパネルを展示している。
 展示の路面電車のうちの2両には何故か座席が取り外されていた。




      (美濃市散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)


 美濃市駅に戻り、10:28 発の北濃行きの列車に乗る。列車は長良川に沿って走るが、長良川の中に入り釣りをしている人を多く見かけた。
 途中郡上八幡や美濃白鳥などの主要駅を経由して 12:03 に終点の北濃駅に到着。北濃駅からはひるがの高原方面行きのバス便があるためか最果ての
 終着駅という感じもせず、軽食がとれるお店も営業していたので、ここで軽く昼食を済ませ、12:40 発の折り返し列車で引き返す。
 約2時間乗車後、刃物会館前駅で下車し、岐阜県刃物会館へと向かう。 関市は刃物の町として有名であるが、刃物会館では、包丁、鋏、ナイフ、爪切、
 模造刀、彫刻刀、キッチン用品等、2000点をこえる「関の刃物」を取り揃えて販売している。 また、刃物研ぎ工房で刃物修理や刃付体験も
 できるが、この日はやっていなかった。
 関市の散策をするため、刃物会館前駅から列車で関駅に戻ったが、関駅周辺はお店も無く非常に寂しい感じがした。関駅から徒歩15分ほどで関善光寺
 に到着。この寺の御本尊には長野善光寺如来の御分身として輪王寺宮公澄(りんのうじのみやこうちょう)法親王の御念持仏を拝領しているため
 関善光寺という名が付けられているものと思うが、ここは宗教宗派にとらわれず多くの人々を受け入れているようである。当日も大型バスで約20名
 ほどが参拝に来ていた。
 刃物会館方向に歩いて行くと小さな商店街らしきところがあったが、ここが関市の中心街なのであろうか。さらに歩いていくとフェザーミュージアムが
 ある。ここはフェザー安全剃刀株式会社に併設する世界初の刃物総合博物館で、今年(2016年)の3月にリニューアルしたばかりである。
 ここには、現在のカミソリの原点となった 歴史的遺産の数々を国内外から積極的に1万点以上収集、展示されており、カミソリの歴史や文化を学ぶ事が
 できる。また体験型コーナーやお土産店もあり、じっくり見ると楽しいところのようであるが閉館時間が16時と早めに設定されているので、残念ながら
 あまりゆっくり見る事はできなかった。

  関市の写真

 再び刃物会館前駅から列車に乗り、美濃太田駅で下車し、長良川鉄道の旅は終わりとなった。
 夕食は焼肉店でロース定食と生ビールを注文した。定食は美味しかったが、飛騨牛かどうかを確認するのを忘れてしまった。




      (関市散策。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。)



   旅行記(3日目)

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