◆第2日目(10月5日)
朝食を7時にとり、7時半に藤花温泉ホテルを出発した。次にめざすは、日本で28番目でおそらく
最後の国立公園である釧路湿原一帯である。原始に近い自然が残るこのエリアで、風景がすば
らしいのは、JR塘路駅から北西方向に9kmほどのところにあるコッタロ展望台と、JR釧路湿原駅
の近くの細岡展望台の2つである。自動車で国道391号線を南下すると、シラルトロ湖が見えて
きた。途中右方向に進むと、昔駅長さんが丹頂鶴の餌付けをしていることで有名であったJR茅沼
駅に行くことができる。JR塘路駅の手前の道から北西方向へ砂利道を約9km進みコッタロ展望台
に着いた。展望台の麓に野生のキタキツネが2ひき、私を「お出向え」 してくれた。時々観光客が
来るためか、人間を恐れていないようだ。展望台麓から整備された階段を登り、さらに散策路を
上ること10分で、展望台に着いた。湿原ならではの幻想的な光景であった。 駐車場に戻り、
JR塘路駅へ向かう。この駅は約8年ほど前に建て替えられて、今は売店や喫茶店をやっており
JR北海道から民間へ駅業務が委託されたようである。学生時代にこの駅で降り、塘路湖の展望
台までの寂しい道を歩いたのを思い出したが、今は塘路湖周辺は整備されたキャンプ場もあり、
様子は一変していた。
釧路湿原の写真(1)
次に、細岡展望台へと向かう。 途中の道は舗装されており、こちらの展望台の方が観光客にとっ
ては有名のようだ。 実際に展望台に着くと、中年の団体客一行がいて、こちらも中年のガイドの
おじさんが説明していた。 ちらっと聞こえた話では、最初は日本政府はこの湿原の価値がわから
ず釧路市民が中心になって自然保護運動をし、結果的には外国人がこの自然のすばらしさをアピー
ルし、ようやく国立公園になった、というような内容であった。 この展望台からはガイドブック等で
有名な釧路川の蛇行の様子が良く見ることができた。
昔はこの展望台へは自動車でしか行くことができなかったが、今はJR釧路湿原駅があるため、JR
利用者も見ることができる。また、この時期は、釧路から「釧路湿原トロッコ列車」という全車座席指
定の、日本一遅い列車で有名な観光用臨時列車も走っている。 さっそくJR釧路湿原駅まで散策
した。ちょうど列車が到着したばかりであったが、この無人駅に降り立ったのは若い女性1人だけで
あった。 やはり2〜3時間に1本のダイヤでは、自動車優先になってしまうのだろうか。
今までは、JR釧網本線/国道391号線側で、釧路湿原を東側から見たわけだが、今度は、道道
53号線にある、釧路市湿原展望台側から釧路湿原を見ることにする。 この釧路市湿原展望台は
建物内に湿原の生い立ちや動植物が解説されているコーナがあった。 さらに、建物の周辺には
一周2.5kmの散策路もある。 さっそく散策路を一周した。 途中のサテライト展望台からは湿原
の展望が良かったが、当然釧路川や沼地が見えず、さきほど見てきた光景とは全く違った印象で
あった。
釧路湿原の写真(2)
レンタカーで効率よく廻れ、釧路市湿原展望台の散策路を一周したのが13時。 レンタカーを借りた
帯広駅に向かう。 途中の国道38号線はとても空いていて、かなり早く帯広に着きそうな状況だっ
たので、少し寄り道をして、旧国鉄広尾線の幸福駅と愛国駅に行くことにした。いうまでもなく、
「愛国から幸福ゆき」の切符で有名なところである。 旧国鉄幸福駅は、広々とした原野にポツンと
あったが、今は交通公園となっており、ディーゼルカー2両展示され、そのうちの1両には実際に
乗車可能である。
またこの周辺ではみやげもの屋もあり、今では幸せを求めるカップルや観光客が多い観光の名所に
なっている。 約10年前、家族旅行で、近くのテーマパークである「グリュック王国(グリュックとはドイ
ツ語で幸福という意味)」に来たとき、帰りにここに立ち寄ったが、その時の井戸はそのままで、とても
なつかしかった。 記念に、私も「愛国から幸福ゆき」の切符を買った。
次に旧国鉄愛国駅に向かう。 旧愛国駅は、駅舎が交通博物館のようになっており、旧広尾線の歴
史等の資料が展示されてあった。また、こちらには9600型の蒸気機関車(SL)が展示されていた。
しかしこちらは観光客も少なく、お土産屋さんも1件(しかも日曜日の夕方なのに閉店)で、旧幸福駅
に比べて賑わいもなく寂しい光景であった。
旧幸福駅&旧愛国駅の写真
レンタカーをJR帯広駅で返却し、17時46分のスーパーおおぞら10号に乗る。南千歳駅で途中下
車し乗り換えて新千歳空港駅に向かう。 全日空62便で東京羽田空港に22時頃無事到着し、
自宅に着いたのは23時過ぎであった。
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