◆第1日目(10月4日)




 昨日会社の方たちと夜遅くまで一緒だったが、その余韻が残っている状態で、朝7時4分
 発の「スーパーおおぞら1号」に乗るために、ホテルを6時40分頃出る。当然ホテルでの
 朝食には早すぎる時間なので、駅のホームで弁当を購入し、列車に乗り込む。

 本来「スーパーおおぞら1号」は釧路行きであるが、9月26日の十勝沖地震の影響で、
 この日は帯広止まりであった。 乗車率は50%くらい。
 以前は、札幌から帯広へ行くには、北の方向に向かい、滝川、富良野、狩勝峠、という
 コースが主流であったが、1981年に石勝線が開通してからは、札幌と道東を結ぶ基幹
 路線はこちらに移行している。 また石勝線の新夕張−新得間は、特急列車しか走って
 いない全国でも珍しい区間である。
 石勝線は、トンネルと橋梁が多いこと、また踏みきりがないこと、そして分岐部のスノー
 シェルターが特徴としてあげられる。従って、車窓はそれほど楽しめないが、注意して見ると
 夕張川や竜仙峡のように素晴らしいところもある。 またトマム駅近くには超高層ホテルが
 建っているが、バブルがはじけた現在は採算がとれるのであろうか。
 新得を過ぎると、帯広まではトンネルもなく、北海道の車窓風景を楽しんだ。
 帯広には定刻の9時19分に到着した。

 帯広駅からレンタカーで、阿寒湖方面に向かう。
 今回の旅行で見たい箇所は、オンネトー、旧釧北峠、津別峠の3カ所だったので、まず
 帯広から国道241号線を通り、阿寒湖方向に向かう。 帯広から自動車を1時間半ほど
 走ると、足寄(あしょろ)町に着いた。 足寄町は、歌手の松山千春さんの生まれたところ
 として有名である。 さらに国道241号線を阿寒湖方面に進み、最初の目的地である
 オンネトーへと向かう。 オンネトーは、天候、風向き、見る位置から湖面の色が変化する
 神秘的な湖であり、雌阿寒岳と阿寒富士の2つが背景にそびえ、湖の周辺には散策路も
 多く、私が好きな湖の1つである。 雌阿寒岳は手前の野中温泉から比較的容易に登山
 でき、私も学生時代に登ったことがあるが、頂上からの阿寒湖の眺めがすばらしかった
 のを覚えている。 今回は、片道2.2kmのオンネトー展望散策路を散策した。
 散策路を展望所に向かって30分ほど歩いて頂上に着く。 そこからは下にはオンネトー
 見上げれば、2つの山(雌阿寒岳と阿寒富士)が見て、非常に良い眺めであった。

    第1日目の写真集

 展望所を下り、今後はオンネトーの湖畔の車道を気ままに歩く。 対岸には歩行者だけの
 遊歩道があり、私も約10年ほど前に家族で散策した事があったが、今回は他に予定が
 あったので、車道の湖畔を歩きひたすら駐車場に向かい歩く。 駐車場に戻るともう午後
 1時半をまわっていたので、近くの「オンネトー茶屋」で、らわんぶきそばを食べる。これは
 ガイドブックにも載っているここだけのオリジナルメニューで、そば粉と粉末状のラワンブキ
 を混ぜて作ったグリーンの麺である。

 昼食を済ませ、次の目的地である旧釧北峠へと向かう。 釧北峠とは、釧路地方と北見
 地方を結ぶ峠で、旧国道からは阿寒湖に眺めがすばらしい、と20年以上前のガイドブック
 に記載されていたのをずっと憶えていて、何故か一度行ってみたかった所であった。 
 しかし、旧国道は誰も通る人がいなく道路の状況が悪いうえ、林道らしき怪しげな道も多く
 2時間を浪費しても目的を達成できなかった。 

 そうこうしているうちに、天気が怪しくなり、ついに雨が降って来てしまった。 また旧釧北峠
 のため2時間も浪費してしまったため、本日最後の目的地である津別峠に向かう。

 阿寒湖を素通りして、摩周湖に向かう通称阿寒横断道路と言われている、国道241号線
 を弟子屈(てしかが)町に向かい走る。 このコースは、私の中学校の修学旅行でも通った
 コースであったが、当時は道路が立派でなく道幅も狭かったので、大型バスが谷底に落ち
 はしないかと冷や冷やしたのを憶えている。 途中、双湖台といって、ペンケトーとパンケトー
 の2つの原始的な湖が見える展望台がある。 パンケトーは一般の観光客は、この双湖台
 からほんの一部しか見ることができない、未知の湖である。 パンケトーの全景を見るには
 雄阿寒岳に登るしかないのである。 正確に言うと阿寒湖の北側の林道を通るとパンケトー
 へ行くことができるのだが、この林道は自然保護のため一般車両は通行止めとなっている。

 津別峠は屈斜路湖を展望する良いスポットである。 屈斜路湖の展望する有名地は美幌峠
 であるが、そこは標高が低いため、中島がやたらに横に広がり過ぎて私は好きになれない。
 美幌峠より標高の高い津別峠は、以前は道路も整備されておらず、約20年前に大学時代の
 友人に無理をお願いして連れていって貰ったが、未舗装の狭い道を苦労して走行したのに
 霧でなにも見えない、という苦い経験がある。
 最近道路が整備されたようで、1.5車線(所々車がすれ違う事ができるスペースあり)の舗装
 道路であった。 難なく津別峠の展望台に到着したが、夕方遅かった事と、雨のため、屈斜路
 湖は一部しか見ることができなかった。 しかし、一応湖は見えたのでやや満足。

 旧釧北峠の2時間の浪費で、津別峠の帰路はすっかり真っ暗になってしまった。
 今夜の宿泊地の、標茶(しべちゃ)町の藤花温泉ホテルには、夜6時半頃到着した。


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