◆第1日目(10月25日)
昨日仕事を終えた後、会社の方たちと一緒に、青森から十和田湖へ向かう途中にある、蔦温泉
に宿泊した。 ここの特徴は、大きな旅館が1軒しか無いこと、携帯電話がサービスエリア外で
あること、であり、特に後者に関しては最近の携帯電話機の対人口カバー率から考えて不思議
な気がした。 これから行く奥入瀬渓流もサービスエリア外との事で、現在は逆にこの方が電話
もかかって来ずゆっくりくつろげるので人気があるのかも、と納得してしまう。
蔦温泉〜奥入瀬渓流の写真
蔦温泉旅館の近くの蔦沼は朝日がきれい、という事で朝5時半に起床し(無理矢理起こされて)
さっそく見に行く。 蔦沼では既にプロ級の腕をもったカメラマンが良い場所に三脚を構えて待ち
かまえていた。 寒い中を待つこと約30分、朝日がのぼり湖の周辺の紅葉された山々が、徐々に
赤く染まっていく光景は圧巻であった。
朝食を済ませ、我々一行は自動車で奥入瀬渓流へと向かう。奥入瀬渓流は、焼山から十和田湖
の子ノ口までの約14kmで、ハイキングコースが整備されている。 この区間はJRバスも走って
おり、バス+徒歩の観光客も多いように感じた。今回購入した「青森・十和田ゾーンキップ」でも
JRバスは利用できるのだが、我々は地元の会社の方のワゴン車で、少し歩いてはワゴン車に
乗る、というスタイルとなった。
奥入瀬渓流で、最初にワゴン車を降りたのは、石ヶ戸(いしげど)で、ここはトイレや売店も整備
されていた。 紅葉の中、渓流を見ながらの散策を少し楽しみ、阿修羅の流れ、雲井の滝、九段
の滝、銚子大滝、などを見て、子ノ口に着く。
子ノ口から休屋まで、約1時間弱の湖上遊覧船に乗る。 紅葉シーズンの日曜日とあって、観光客
も多かった。自家用車で来る方のために、自動車を休屋まで回送してくれるサービスがあるそう
だが、結構高価との事で、我々の場合は地元の方の1人が遊覧船に乗るのを諦め、先にワゴン車
で休屋まで行って頂くことになった。
十和田湖遊覧の写真
十和田湖は日本で3番目に深く、周囲が約46.2kmと大きな湖である。 湖の周辺に自動車が
通行できる道路があるが、十和田湖には2つの大きな半島(御倉半島と中山半島)が突き出て
おり、この半島の光景は遊覧船からしか見ることができない。 またこの2つの半島によって、
十和田湖は、東湖(外湖)、中湖、西湖(内湖)の3つの部分にわけられる。 遊覧船からは紅葉
で綺麗でかつ奇岩等を見ることができた。
十和田湖は青森県と秋田県の2県にまたがっており、遊覧船に乗車した子ノ口は青森県だったが
休屋は秋田県である。休屋では秋田名物のきりたんぽが販売されていた。
彫刻家で詩人の高村光太郎が愛妻の智恵子夫人をモデルにしたと言われている有名な乙女の像
を見た後、十和田湖を出発し、今度は車道で子ノ口方面に引き返す。
途中の瞰湖台という十和田湖を展望できる場所があり、ここからの眺めはすばらしかった。
子ノ口、奥入瀬渓流と今まで来た道を引き返す。
瞰湖台〜雪中行軍遭難記念碑の写真
途中城ヶ倉渓谷を見下ろす事ができる城ヶ倉大橋に立ち寄った。橋から下を見下ろすと、標高差が
約122mあり高所恐怖症の人には怖そうな迫力満点光景が展開されていた。自動車で下まで降り
る1車線+α程度の道があったので降りることになった。 渓谷の下では花束が置いてあったが、
何とここは自殺の名所にもなっているようだ。 標高差よりも死者の霊の方が怖いかもしれない。
この日は天気が良く、展望も良かったので(地元の方の話ではこんな日は滅多にないとの事)、
八甲田山ロープウェイに乗ることになった。 途中「じこく沼」というお湯がわき出ている所を通った。
八甲田山という名がついた1つの山ではなく、複数個の山々の連峰を総称して八甲田連峰といって
いる。 ロープウェイはその中の田茂萢岳の山頂付近に着く。 ロープウェイからは青森市内や陸奥
湾を見えたが、残念なことに少し霞みがかかっていた。 下界のあちらこちらから煙が出ていたが
この時期地元の方が落葉を畑で燃やすためとの事であった。 たまにこの煙のため、高速道路が
通行止めになることもあるようで、本来は法律/条例違反のようだが、落葉を捨てる費用が高い
ため燃やすことは後を絶たないようである。
山頂は確かにそれなりに眺めが良かったが、何しろ寒く、ゆっくり景色を眺めているわけにも行か
なかった。さすが10月下旬の東北地方の山はそれなりに寒い。
最後の観光地?として、雪中行軍遭難悲話で銅像も建っている所へ案内された。100年以上も
前に、青森歩兵第五連隊が八甲田で猛吹雪に見舞われて道を失い、百九十九人が命を落とした
ところである。 彼らが何のためにこんな雪の中で訓練をしていたかは、例えば以下ののURLを
参照して頂きたいが(http://member.nifty.ne.jp/RINGO/settyu/)、日本アルプスならともかく、
青森市内からこんな近い所で雪のため人間が遭難するという事自体、にわかに信じられなかった。
横浜から来た、もう1人の方を青森空港でおろし、私は今夜宿泊する青森市内のビジネスホテル
まで送ってもらう事にした。 青森県は、この青森空港と三沢空港とも乗客が多く黒字との事。
今回私も満席で飛行機の予約ができなかった事でもうなづける。 一方、明日の東北新幹線の
はやて号も夕方の列車は満席であり、東京−青森間の人の移動は多いようだ。
ビジネスホテルでは、LANによるインターネット常時接続環境であり、今朝出発した蔦温泉の
携帯電話がサービスエリア外(従って、公衆電話に無理矢理接続しない限りインターネット接続
はできない)だった事が同じ日とはとても思えなかった。
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旅行記(2日目)