2日目 4月4日(火)青春18キップ
津山-中国勝山(散策)-久世(散策)-新見(散策)-東城-備後落合-宍道-松江(泊)
(2日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。)
この日の主目的は、JR久世駅から徒歩約10分にある旧遷喬(せんきょう)尋常小学校の見学と、毎回素通り
となってしまう新見市内散策である。また新見からはJR芸備線で備後落合まで行き、ここからスイッチバック
路線で有名なJR木次線に乗り換え宍道駅からJR山陰本線に乗り換え松江まで行くというルートである。
なお、備後落合-木次間のスイッチバック路線は 2017年3月以来2回目となる。
(中国勝山の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
目的の旧遷喬尋常小学校は朝9時までオープンしないので、最初にJR久世駅から1つ先のJR中国勝山駅まで
足をのばすことにした。中国勝山は 2021年10月に「秋の乗り放題切符」で散策したが、約50分ほどの時間が
あったので、時間つぶしに再度散策する事とした。
津山-中国勝山間の写真
津山 7:11 発の列車で、中国勝山に 8:00 丁度の到着。今回は前回行き損ねた「高瀬舟発着場跡」を目指した
が、案内掲示が見つからず、場所は推測できたものの結果的には行き着く事ができなかった。また朝早い
時間帯であったので、お店も開店しておらず前回とは全く雰囲気が異なっていた。
(久世駅周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
中国勝山駅に引き返し、同駅 8:53 発の列車で1駅戻った久世駅に 9:00 に到着。ここからのんびり歩いて
約15分ほどで旧遷喬尋常小学校へ到着。この建物は1907(明治40)年にルネッサンス様式の木造校舎として
建てられた、完全なシンメトリー(左右対称)のデザインと白亜の外観が印象的な小学校であり、
1990(平成2)年に小学校としての役目を終え、現在は一般に公開されている。
『ALWAYS 三丁目の夕日』『火垂るの墓』などの映画のロケ地としても使われ、現在は期間限定で「なつかしの
学校給食」が行われており人気がある。江川三郎八の設計で、国の重要文化財に指定されている。
建物は木造二階建になっており、特に2階の講堂が印象的であった。
旧遷喬尋常小学校の写真
校舎の隣に、文化施設・久世エスパスランドがあり、少し時間があったので、ここのカフェでコーヒーを
飲んで寛いだ。
(新見駅周辺の散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)
久世駅に戻り、同駅 10:51 発の列車で新見へと向かう。
この日は列車が遅れていて、新見には約15分遅れで 12:05 頃に到着。約1時間しか散策の時間が無くなったが、
新見駅から徒歩15分のところにある「新見御殿町」へ行く事にした。ここは江戸時代に初代新見藩主・関長治候
によってつくられたまちで、今でも江戸や明治時代の風情や歴史が感じられるところである。
元禄時代には城を造ることができなかったため、御殿(館邸)を建てたことから、「新見御殿町」と呼ばれて
いるとの事である。新見の近代商業の中心として栄えた「太池邸」が主な観光スポットであり、現在は地域活性
化の拠点施設として、イベント開催や立ち寄りスポットとして利用されているが、あいにく火曜日は定休日で
中を見ることができなかったのが残念であった。
新見駅に戻り、新見 13:02 発の備後落合行きの列車に乗車。新見-備後落合全区間を走る列車は1日3往復しか
ない超ローカル路線であるが、あいにくこの日は、途中の東城-備後落合間が落石で不通だったため、この区間は
バス代行輸送になってしまった。しかし、備後落合駅には列車ダイヤ通りに 14:30 頃に到着した。
備後落合駅は芸備線と木次線が交わり、最盛時には百人を超える駅員たちが立ち働く一大ターミナル駅であった
ようであるが、今では誰もいない無人駅になっている。構内の片隅には蒸気機関車が向きを変えるのに使われて
いた転車台も残っている。本来は寂しい無人駅ではあるが、14時半頃は、広島、宍道、新見(今回は代行バスで
あるが)からの列車が集まる賑やかな時間帯である。昨今のJR西日本の廃線化の流れを心配してか、備後落合駅
の駅舎には過去の繁栄を示す写真などが多く展示されていて、しかもこの日は旧国鉄/JR西を退職された方が
ボランティアでかつてのこの駅の繁栄を説明するとともに、写真や地元の名産物を販売する小さなお店も開店
していた。今年で老朽化のため運転中止となり予定の観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」がこの日は運転
されていたためか、備後落合駅にはかなり多くの乗客がいた。
新見-備後落合間の写真
なお、備後落合駅は作家松本清張の『芸備線の一夜』という作品にも「備後落合という所に泊まった。汽車は
ここまでだった。うすく雪が降っている。小さな宿屋で谷の底のような場所である。・・・・・」と記載が
あり、実際に松本清張が宿泊したと思われる元旅館の建物も残っていたが、こちらも火曜日は定休日のようで
閉鎖されていた。
備後落合 14:43 発のJR木次線の列車に乗り換え木次へと向かう。この路線の最大の見どころは、出雲坂根駅
の進行方向を2回切り替える「三段式スイッチバック」である。運転士は大変だと思うが、乗客としては
見ているだけで楽しい光景である。
木次線沿線には、松本清張の「砂の器」で出てくる亀嵩(かめだけ)駅があり、駅舎内のそば屋「扇屋そば」
が有名で一度は途中下車したいと思っているが、木次線は列車の本数が少ないのでなかなか実現できていない。
宍道には 17:38 の到着。2017年3月の時は、新駅舎が建設中であったが、今回は綺麗な駅舎を見る事ができた。
山陰本線の上り松江方面は接続が良く、6分の接続で、松江には 18:05 の到着。
備後落合-松江間の写真
今回はJR松江駅から徒歩圏内のホテルを選択したが、時間があったので一畑電車の「松江しんじ湖温泉」駅
まで歩いて行った。距離は 2.3km 程であるがあたりが暗くなってきた事もあり、ずいぶん遠く感じたので、
帰りは路線バスを利用した。
旅行記(3日目)
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