4日目 9月7日(木)
盛岡-八戸-種差海岸(種差海岸~鮫までのハイキングコース散策)-鮫-八戸-盛岡(散策)-東京
(4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。
青色が実際に移動した軌跡。 ただし、盛岡→東京間は省略。)
当初、この日は天候によってどこに行くかを決定する予定であったが、幸運な事に晴天
だったので、青森県の種差海岸のハイキングと盛岡市内散策を行う事にした。
(種差海岸散策。 GPSロガーのログデータから実際に移動した場所の軌跡を表示。)
大きな荷物を盛岡駅のコインロッカーに預け身軽になって盛岡 7:59 発の新幹線で八戸
へと向かい、八戸からJR八戸線に乗り換える。八戸駅内の観光案内所は9時から開いたので
早速種差海岸の資料を入手し、八戸 9:29 発の列車に乗車する。JR八戸線は、八戸-鮫間
は列車の本数は多いが、鮫から先の久慈までは1日8本しかなく日中に時間帯は次の列車
まで2~3時間待つ必要がある。そこで、今回は鮫から2つ先の種差海岸で下車して、
そこから鮫まで約9kmのコースを歩く事にした。このハイキングコースは岩礁海岸・砂浜
海岸・海食海岸など多様な地形を楽しむ事ができる。種差海岸には 10:02 の到着。
種差海岸ハイキングコースの写真(1)
種差海岸駅周辺にはインフォーメーションセンターがあり、有料でガイドによる案内も
でき、カフェも併設していた。さっそく海岸方面に向かうと、天然の芝生におおわれた
段丘面が広がり、太平洋の眺望とあわせ開放的な景観となっていた。また地元の人たち
による芝刈りも行われていた。さらに30分ほど歩くと、白岩(明神岩とも呼ばれる)が
あり、ここは種差海岸の代表景観の1つになっているが、海鵜のフンで白くなったとの
事である。ハイキングコース内には深久保漁港や白浜漁港があり、舟も何隻か待機して
いた。白浜漁港を過ぎると砂浜の散策路となり、とたんに歩きにくくなる。砂浜の最初
の部分は白浜海水浴場となっているが、その先の大須賀海岸は遊泳禁止区間である。
大須賀海岸を通り抜け再び歩きやすい散策路に入り30分程歩くと、葦毛崎(あしげざき)
展望台に着いた。ここには大きな駐車場のほか売店もあったので、昼食用の軽食をとる
ことができた。ここまで、歩きにくい砂浜もあったが、荒々しい岩石が露出した磯など
の種差海岸の風景を楽しめたが、ここから先はハイキングコースが整備されていない
ようで、車道を通る事になった。鮫角灯台を左手に見ながら、ハイキングコースの終点
である蕪島(かぶじま)までの道は車道がメインで、ハイキングコースを探して私有地
に入ってしまったり、といろいろと大変であった。八戸水産科学館マリエントのそばを
通り、何とか13時頃に蕪島に到着。
種差海岸ハイキングコースの写真(2)
蕪島はウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されており、ウミネコの繁殖の
様子を間近で観察することができる国内唯一の場所である。ウミネコは毎年3月上旬頃に
蕪島に飛来し、4月頃に産卵をはじめ、6月頃にはヒナがかえり、8月頃には蕪島を旅立つ
のいう生態なので、残念ながら今回(9月初旬)はウミネコは見る事ができなかった。
蕪島の頂に鎮座する「蕪嶋神社」は、弁財天を祀り、漁業安全や商売繁盛、芸能などに
ご利益があるとされており、「蕪(かぶ)」と「株」が同じ読みであることから、株価
と人望の「かぶ」が上がるご利益を期待しているとの事である。
蕪嶋神社の社殿は平成27年11月に発生した火災で焼失したが、約5年の歳月を経て再建
されたため、新しく綺麗な建物という印象であった。
蕪島の写真
蕪島から15分ほど歩きJR鮫駅に着き、ここから 13:44 発の八戸行き列車に乗車する。
なお、鮫駅にはみどりの窓口があったので、八戸-盛岡間の新幹線の指定席も確保
しておいた。八戸 14:05 の到着。ここで八戸 14:16 発の新幹線はやぶさ28号で
盛岡へと向かったが、この列車は八戸-盛岡間はノンストップだったので盛岡には
14:44 に到着することができた。
(盛岡市内散策。 GPSロガーのログデータから実際に移動した場所の軌跡を表示。)
盛岡市内では、岩手銀行赤レンガ館と盛岡城趾公園(岩手公園)周辺を主に散策した。
盛岡駅からのんびり歩いて30分ほどで岩手銀行赤レンガ館に到着。この建物は、
盛岡銀行の本店行舎として落成し、岩手殖産銀行(のちの岩手銀行)の本店として
利用されたが、岩手銀行新社屋完成に伴い岩手銀行中ノ橋支店となったところである。
設計は東京駅でも知られる、辰野・葛西建築設計事務所によるもので、辰野金吾が
設計した建築としては東北地方に唯一残る作品となっている。この建物へは過去何度か
来た事があるが、今回は中に入る事ができた。内部は、多目的ホールおよび創建当時の
館内の模様を展示する施設となっており、当時の銀行の雰囲気を十分に感じる事が
できるようになっていた。
岩手銀行赤レンガ館の見学後、以前も散策した「ござ丸・森九商店」という1816年に
創業の生活雑貨店や、紺屋町番屋という消防隊の番屋として使われていた趣のある建物
を経由して中津川のほとりを歩き、新渡戸稲造生誕の地をめざす。市役所の近くにも
新渡戸稲造像があったが、生誕の地は少し離れた「下の橋」付近にあった。
生誕の地にはイスに座った新渡戸稲造の像があったが、座った銅像はあまりないのでは
ないかと思う。最後に盛岡城趾公園に立ち寄る。ここは江戸時代、南部藩の城下町と
して栄えた南部盛岡の不来方城を公園として今に至っているもので、関東以北の石垣
組の平城としては、最大の規模を誇っているものである。実際は盛岡市民の通勤通学
の通り道のような感じであった。
盛岡市内の写真
盛岡駅へ行く途中で夕食をとり、盛岡駅でお土産を購入し、盛岡 19:50 発のはやぶさ
46号で帰路につく。東京へは 22:04 に到着できたので、何とかその日のうちに自宅
に辿り着く事ができた。
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