4日目 12月2日(水)
 羽後本荘-矢島-羽後本荘-新潟-新津-(鉄道資料館散策)-新潟-東京-自宅



  (4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 青色が実際に移動した軌跡。)

 この日は、由利高原鉄道の乗り鉄と新津鉄道資料館を見学し、帰路に向かうルートである。

 昨日比較的不便な羽後本荘のホテルに宿泊した理由は、この日に「由利高原鉄道 鳥海山ろく線」に乗車するためである。本日は、ホテル
 でゆっくり朝食をとり、朝8時過ぎにホテルをチェックアウトした。 JR羽越本線の羽後本荘-新潟間は思ったより不便で、これより
 早い列車に乗っても待ち時間が増えるだけだからである。
 由利高原鉄道 鳥海山ろく線は旧国鉄矢島線を引き継いだ第三セクターが運営する、羽後本荘-矢島間 23.0km を走る非電化の路線である。
 羽後本荘駅で矢島までの往復切符を購入し、羽後本荘 8:40 発の列車に乗車。約40分の行程であったが、乗客は私のほかに学生らしき
 人が1名で、いくらオフシーズンといっても、本当に経営は大丈夫なのか? と心配になる。 今回の旅行でも最も乗客が少ない鉄道
 路線であった。 矢島駅構内は随所に由利高原鉄道の絵が飾ってあったり、グッズコーナーには「ローカル線は地域の宝」という幟(のぼり)
 があったりと賑やかで、眺めていると年配のご婦人から暖かいお茶を頂いた。
 矢島駅に約20分滞在した後、矢島 9:19 発の列車で羽後本荘駅に引き返す。帰りも私の他に40~50代と思われる旅行客が1人だけ
 であった。 しかし、この 9:19 発の列車は観光列車の「おばこ号」だった。 おばことは秋田弁で「娘」の意味で、おばこのアテンダント
 も乗車して沿線の案内もして下さり、とても豪華なローカル線の旅になった。(ただし、アテンダントは60代の女性)
 また列車発車の際に、さきほどお茶を下さった年配のご婦人に手を振って見送られたが、この方は矢島駅売店のまつ子さんという有名人
 との事であった。 アテンダントさんは、(この日は天候があまり良くなく見られなかったが)鳥海山が見える絶景ポイント、田んぼの
 中にぽつんと立つ「吉沢駅」、西滝沢駅近くの100円メニューの食事を提供する地域交流館、日本で4カ所した残っていない単線区間
 のタブレットを交換する前郷駅、郵便局と鉄道駅が一体となった子吉駅など、沿線の魅力を一生懸命説明し、最後に乗車記念として
 本のしおりも頂いた。 アテンダントさんが一生懸命だったので、休日や旅行シーズン中は乗客が多い事を願わずにはいられなかった。

  由利高原鉄道 鳥海山ろく線の写真

 羽後本荘に 10:21 に到着後、少し駅の待合室にいた後、羽後本荘 11:07 発の「特急 いなほ8号」で新潟へと向かう。
 途中、日本海を右手に望みながら約3時間の特急電車の旅を楽しみ新潟には 14:05 の到着。
 次の目的地である新津鉄道資料館に行くため、新津方面行きの各停電車に乗り換える。接続時間が2分しかなかったが、階段を走って
 ギリギリ間に合った。 新津に 14:26 の到着。

 新津駅(昔は新津市、現在は新潟市秋葉区)はJR東日本の3路線が乗り入れるターミナルで、全盛期には働く人の4人に1人は鉄道関係者で
 あったとされる古くからの「鉄道の街」として知られていて、現在でも信越本線・羽越本線・磐越西線が乗り入れている。
 新津には昨年(2019年)4月に来て、その時新津駅のすぐそばの新津鉄道資料館の町中サテライト館の「ていしゃば」(ただし12月
 ~2月は冬季休館)を訪問したが、その時新津鉄道資料館(本館)へ行きたいと思っていた。今回ようやくそれが実現したわけだが、
 鉄道資料館への路線バスの便が非常に悪いので、行きはタクシーを利用する事にした。

  新津鉄道資料館の写真

 新津鉄道資料館は、新津の鉄道の歴史だけではなく現代の鉄道技術発展についても知ることのできる鉄道ミュージアムで、新幹線、
 蒸気機関車、特急形電車などの説明展示や鉄道運転シミュレータ、屋外には実物車両の展示もあり、見て回るだけでも楽しかった。
 一室には鉄道友の会コーナーもあり、先輩の女性会員が後輩の女性会員にいろいろと説明していたのが印象的であった。
 鉄道模型ジオラマもあったが、何故かこの日は動作停止していた。



 (新津散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)

 新津鉄道資料館に約1時間半ほど滞在し、数少ない路線バスで 16:01 発新津駅行きのバスに乗車し、新津からは再び新潟へ向かう。
 駅ビル内で少し早い夕食を食べた後、新潟 17:44 発の「とき340号」で東京に戻り、東京 19:52 の到着。
 自宅には 21:30 頃に着くことができた。


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