4日目(7月2日)
 新庄 - かみのやま温泉(上山散策)- 山形 - 山寺(山寺散策)- 山形 - 新庄 - 鳴子温泉 - 古川 - 仙台 - 東京 - 町田



 (4日目の行程。 GPSロガーを使って、ログデータから実際に移動した場所を表示。 
   赤色が実際に移動した軌跡。 なお、仙台-東京間は省略)


 昨日と違って、この日は天気予報は晴天だったので、昨夜のうちに、上山と山寺を散策した後新庄から陸羽東線で古川まで行き古川から東北新幹線で
 帰路につく、という計画を立てた。
 新庄駅のコインロッカーで荷物を預け、7:16 発の「つばさ128号」でかみのやま温泉へと向かう。これを逃すと次のつばさ号は2時間後なので
 ホテルではすぐにチェックアウトできるように準備し急いで朝食を食べた。 車内では山形への通勤客と思われる乗客のたくさんいた。山形からは
 多くの乗客が乗り込んできたが、山形から9分でかみのやま温泉駅に到着した。



  (上山散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 かみのやま温泉駅がある上山市は3万石の城下町、歴史ある温泉町、羽州街道の宿場町、という3つの「まちの顔」をもつ観光地であると同市の
 ホームページで紹介されている。 まず最初に、駅から徒歩10分のところにある栗川稲荷神社で、信者から奉納された鳥居のトンネルが特徴的
 である。栗川稲荷神社から更に10分ほど歩くと春雨庵に到着。ここは“たくあん漬け”で知られる沢庵和尚が3年間を過ごした庵として知られて
 おり、ここでは実際に昔ながらの製法で塩と糠だけで漬けたたくあんが味見できる、との事であったが、朝早かったためか味見はできなかった。
 次に訪れたのは武家屋敷で、藩政時代からのものが4軒ぼど並んでおり、そのうちの三輪家は有料で見学できるので中を見せて頂いた。
 武家屋敷からメインの観光スポットである上山城へと向かう。 この城は「羽州の名城」として広く知れわたったが、元禄五年(1692)に幕府により
 取り壊されたが、1982年に二の丸跡に3層の模擬天守が建立された。模擬天守の内部は、郷土歴史資料館となっている。
 また模擬天守からは上山市の市街地の展望を楽しむ事ができた。

   上山市内の写真




   (山寺散策。 GPSロガーのログデータで実際に移動した場所の軌跡を表示)


 かみのやま温泉駅にもどり各停電車で山形へ戻り、山形からは仙山線の電車で約20分の山寺へと向かう。
 山寺は正しくは宝珠山立石寺(ほうじゅさん りっしゃくじ)という霊山で、山の中に多くの建物があり、上の方まで行くのには1000段以上の
 階段を登る必要がある。また山寺は、松尾芭蕉の奥のほそ道で、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだところでも有名である。
 山寺駅から東側へ少し歩いたところに登山口があり、最初の大きな建物は根本中堂で、天台宗総本山の延暦寺の法灯が1200年間燃え続けている。
 芭蕉句碑や宝物殿などを通り山門に到着。ここで拝観料を払い山の上にある五大堂や奥之院へと向かう。 さすがに観光地だけあって、外国人を
 含む多くの観光客で賑わっていた。 山門から少し歩いたところに姥堂(うばどう)があり、この先は極楽とされる浄土口にあたる場所である。
 昔の参拝者はここで身を清め白装束に着替えて現世のしがらみを断ち切った、といわれているが現代人はそのまま山上へと向かう。
 松尾芭蕉が有名な句を詠んだ場所といわれている「せみ塚」を過ぎて堂々とした構えの仁王門に着く。そこからしばらくすると道が2つに分かれ、
 奥之院方面へ行ったが、ここからは下界の風景が見られなかった。 奥之院から来た道を引き返し、五大堂方面へと向かう。五大道は絶景が望める
 舞台式のお堂で、眼下には今上ってきた山門だけではなく、JR山寺駅に発着する電車も見る事ができ、長い時間見ていても飽きが来ない緑豊かな
 山里の絶景を楽しんだ。

   山寺(立石寺)の写真

 山門まで今来た道を引き返し、山門からは右手の立石寺本坊方面に行き下山口へ着く。
 次に下山口から15分ほど歩いて、山寺芭蕉記念館へと向かう。 山寺芭蕉記念館は、芭蕉が奥の細道の旅で山寺を訪れてから300年目、同時に
 山形市ができてから100周年を記念して、平成元年に建てられたものであり、記念館では芭蕉に関する文書や映像などが観賞できる。
 しかし印象に残ったのは記念館の展示物よりも、元米国駐日大使のライシャワー博士のメッセージが書かれた祈念碑である。メッセージの内容は
 「山形-山の向こうのもう1つの日本」という題で、山形が日本の本来の姿を思い出させる美しい場所なので日本は山形に残されているような
 自然と調和するような発展をして欲しい、という主旨の内容となっている。 なお、記念館へ行く途中の階段が、5段-7段-5段となっている
 のも良く工夫しているな、と感じた。

 予定の電車まで時間があったので、山寺駅に戻る途中「旧山寺ホテル」を利用したやまがたレトロ館へ立ち寄った。ここは平成19年までは現役の
 ホテルとして営業していたところで、山形の歴史的建造物の写真やペン画が展示されている。 ここは入場料は無料であるが、建物の修繕費を
 捻出するため、募金活動をしている。

   山寺芭蕉記念館および山寺駅周辺の写真

 山寺から仙山線で山形まで行き、再び山形新幹線で新庄へと向かう。新庄で預けていた荷物を引き取り、陸羽東線の鳴子温泉駅の列車に乗り換える。
 以前家族旅行で2回宿泊したことがある旧国民年金保養所「もがみ」が、途中の大堀駅から見えるかも、と期待したが残念ながら見えなかった。
 鳴子温泉駅で小牛田行き列車に乗り換える。同じく昔家族旅行で2回行った事がある「感覚ミュージーアム」の方は車窓から見る事ができた。

 古川駅で東北新幹線に乗り換えたが、食事とお土産を買うため一度仙台で途中下車した。仙台発 19:53 の「はやぶさ34号」に乗り、東京着は
 21:23 で、中央線で新宿まで行ったが、新宿からの小田急線が人身事故のため遅れていて、自宅に到着したのは日が変わってからであった。

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