旅行記7日目



 
旭川発 7:42 の富良野線の3両編成の列車は、地元の高校生でほぼ満席状態であった。旭川から美瑛までの間、
 神楽岡(かぐらおか)、西御料(にしごりょう)、西瑞穂(にしみずほ)、西神楽(にしかぐら)、西清和(にし
 せいわ)、千代ヶ岡(ちよがおか)といった、雅な駅名が続いているが、明治時代にこのあたりに皇室の別荘を
 作る計画(結局は実現しなかったが)のなごり、との事である。 列車は 8:19 に美瑛駅に到着し、多くの高校生
 が下車し後部の1両がここで切り離され、2両編成になった。美瑛駅の停車時間は1分しか無かったので、残念
 ながら下車できなかった。

 美瑛駅を出発するといかにも北海道らしい雄大な風景が続き、上富良野駅、中富良野駅と停車していく。中富良野駅
 の手前にラベンダー畑駅があるが、この駅は観光列車(富良野・美瑛ノロッコ号)しか停車せず、通過した。

 富良野駅で3分の連絡で滝川行きに乗り換える。途中、芦別、赤平がこの沿線では大きな駅となるが、今は臨時の
 観光列車を除き普通列車しか走っていないので、かつての炭鉱のまちの面影は無い。それでも赤平駅は建て替え
 られて近代化していた。

   旭川-富良野-滝川の写真

 滝川からはスーパーカムイ16号で札幌へと向かう。今回の1人旅で何回も通った路線である。 札幌駅では、
 大阪から来たトワイライトエクスプレスの豪華な寝台車が停車していた。 札幌から快速電車で小樽まで行く途中
 昔(私の学生時代)には無かった多くの駅が新設されていた。 昔は、琴似-手稲-銭函-張碓-朝里という駅
 しかなかったが、今はこのほかに、発寒中央、発寒、稲積公園、稲穂、ほしみ、という駅ができていた。 一方で
 駅前がすぐ海水浴場であった張碓駅は、海水浴客が列車に引かれる、という事件が多かったためか、廃止されていた。
 この沿線の銭函から小樽築港までは日本海のすぐそばを走るため、乗っていて楽しい路線である。

 小樽には運河など多くの楽しい観光スポットがあるが、今回はそれらを割愛して、函館本線の小樽-長万部間の
 山線と呼ばれている路線を乗る事にする。 小樽を過ぎると非電化区間となり列車の本数も少なくなる。
 途中の余市駅を過ぎると人家も少なくなり山の中を走っている感じとなる。倶知安駅で12分の停車だったので
 さっそく下車すると駅前には「一日も早く走りたい! 北の大地に新幹線」の看板がかかっていた。倶知安駅は
 北海道新幹線の停車駅に決定されているので、新幹線ができたら外国人客が多いニセコのスキー場はもっと賑わう
 であろう。 倶知安からニセコ連峰を眺めながら約1時間半で長万部へ到着した。 

   札幌-小樽-長万部の写真

 長万部から臨時特急北斗91号で東室蘭へと向かう。 この時期(2013年9月)、JR北海道は特急列車の
 火災事故の原因究明のため一部ダイヤが変更になっており、この臨時特急北斗91号は少し旧式の車両を
 使っての運行のようである。
 東室蘭から室蘭までは私にとって初めて乗る路線である。しかし、約9万人の室蘭市の市街地を走る路線なので
 人家やお店も多く、首都圏で良く見かける車窓風景に似ていた。 室蘭駅の駅舎はずいぶんと立派に見えた。

 室蘭駅から折り返し列車で東室蘭まで行き、東室蘭から特急スーパー北斗13号で南千歳まで行き、そこから
 乗り換えて新千歳空港駅へと向かう。
 千歳空港でおみやげを買ったが、多くの人で混雑しており、ラーメン店街は30分以上待たないと食べられない
 ような状況であった。 これを見ても、東京からの北海道観光は飛行機が完全に主流となり、北斗星や東北新幹線
 を使った鉄道の旅をする人は少ないのであろう。

   長万部-東室蘭-室蘭-東室蘭-新千歳空港の写真

 新千歳空港 20:30 の ANA 082 便に乗り、羽田空港に 22:05 に到着し、ここから新百合ヶ丘駅までバスに乗り
 自宅に着いたのは 24 時近くだった。


  
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